日本の民間空港の滑走路は、大多数がキリが良い長さに作られています。ただ、その例外にあたるのが伊丹空港A滑走路です。
日本の民間空港の滑走路は、大多数がキリが良い長さに作られています。ただ、その例外にあたるのが伊丹空港A滑走路です。その長さは1828m。なぜなのでしょうか。
伊丹空港(乗りものニュース編集部撮影)。
日本における空港の滑走路の長さは、多くが500m刻みで決まっています。たとえば日本最長の成田空港のA滑走路、ならびに関西空港のB滑走路は長さ4000m、羽田空港のA滑走路は長さ3000m、旭川空港や羽田空港D滑走路が2500mです。
このほか少数派ですが、100m刻みや10m刻みで作られている滑走路もあります。前者は長さ1200mの仙台空港A滑走路や、滑走路1本で長さ2800mの福岡空港など。後者は長さ3360mの羽田空港C滑走路、長さ2740mの県営名古屋飛行場などが見られます。
そのようななかで、伊丹空港はなぜ “1m刻み”なのでしょうか。
同空港を運営する関西エアポートによると、伊丹空港のA滑走路が現在の長さとなったのは、戦後「伊丹航空基地」の名で占領軍の接収下に置かれていた同空港が全面返還された、1958年3月のことだそうです。当時の運輸省(現在の国土交通省)は「大阪空港」と改称し、長さ1828mのA滑走路を運用開始しました。
伊丹空港の滑走路が1828mになった経緯関西エアポートは、長さが決まった経緯を次のように話します。
「A滑走路がこの長さとなったのは、大阪空港として再出発した当時の改修工事が関係しているといわれています。工事の際に使用されていた長さの単位は、日本で一般的な『メートル法』ではなく、アメリカなどが用いている『ヤード法』でした。1828mはヤード法に換算すると2000ヤードとなり、この長さが採用され、現在に至っているとされています」(関西エアポート 広報部)
また多くの空港では、航空機の大型化やその需要の拡大とともに、滑走路長も延伸されていくことが一般的です。しかし伊丹空港では空港周辺の用地取得が難しいことなどから、それが難しかったそうです。
なお、伊丹空港には1828m滑走路のほか、もう1本滑走路が設置されています。こちらの長さはキリがよく3000mです。
このほか、国内空港の中途半端な長さの滑走路の例としては、新潟空港A滑走路があります。その長さは1314mです。

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