自動車のナンバープレートに使われるひらがなは、そのクルマの用途を知るヒントにもなります。ただ「し」のように使われていない文字もいくつか存在します。
自動車のナンバープレートといえば、必ず数字のほかに「ひらがな」が表記されています。このひらがな、実は文字そのものに意味があり、どの文字が付されているかで自動車の「用途」の区別がつきます。
ナンバープレートのひらがな「わ」なので、このクルマはレンタカー(画像:写真AC)。
例えばレンタカーに使われるのは「わ」と、数は少ないですが「れ」が使われます。
普通・小型乗用車の自家用車では「さ」から50音順に「る」まで用いられています。ただ、希望ナンバーを選ばずに文字が光るタイプの「字光式ナンバー」にすると、必ず「ろ」が付されます。軽自動車の場合は自家用車では「あ」から50音順に「る」までと「を」も使用されています。
また、地色が緑のナンバープレートである普通・小型の営業用ナンバーでは「あ」から「こ」・「を」が用いられています。
一方で、どのナンバープレートにも使用されていないひらがなもあります。「お」「し」「へ」「ん」の4つです。
まず、「し」については、発音が「死」を連想させてしまうということで使用が避けられています。ナンバープレートの数字も、下2桁が「42(死に)」と「49(死苦)」と読めてしまうものは縁起が悪いという理由で払い出されませんが、こちらの場合は、希望番号制度で指定されたときは使えます。
次に「お」ですが、これは似た字形である「あ」「す」「む」との読み誤りを避けるためです。車両が犯罪などに使われた場合、ナンバープレートの文字を区別しづらいことが捜査などに影響を及ぼす可能性もあります。さらに発音が「を」と同じになってしまうため、字形・音の2点で“紛らわしさ”を抱える「お」が省かれる結果となったようです。
「ん」に関しても発音がしにくいということが判断基準になっています。最後に「へ」が使用できない理由は「屁を連想させイメージがよくないから」となっています。車両の特定など実務的な弊害はありませんが、ネガティブな印象を抱きがちという意味では、「し」と通ずる部分がありそうです。

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