ネットショッピングサイトの「Amazon」に、本物のJR中央快速線E233系電車が掲載されています。しかしこの件について、鉄道ファンからは厳しい指摘も出ているようです。

ギフトラッピングは利用不可

 インターネットショッピングサイトの「Amazon」に、JR中央快速線(東京~高尾)などを走っているオレンジ帯のE233系電車が掲載されました。鉄道模型ではなく、本物です。その内容について、Amazonのサイトには以下のように記されています。

ブランド:JR東日本 E233系
商品質量:313t
商品の寸法:長さ200,000×幅2,950×高さ×3,980(mm)
内容量:10両編成
メーカー名:東急車輛

 これは実物車両のスペックです。しかし、本当にAmazonが実物車両を販売しているわけではありません。Amazonは12月8日から23日まで、同社の広告でラッピングしたE233系電車を中央快速線で走らせています。

このキャンペーンをPRする目的で「AmazonラッピングバージョンのE233系電車」が、実際に販売されている他の商品と同様の体裁でAmazonに掲載された、というわけです。

 サイトに掲載されているこの「AmazonラッピングバージョンのE233系電車」という「商品」について、Amazonは「ギフトラッピングは利用できませんが、車両はラッピング済みです」としています。

「Amazonトレインキャンペーンページ」
http://www.amazon.co.jp/JR東日本-A-Amazonトレインキャンペーンページ/dp/B002R0DQFC/

鉄道ファンからは厳しい指摘、「星」減点も

 このAmazonに掲載されているE233系電車について、通常の商品と同様に「カスタマーレビュー」や「カスタマー Q&A」を投稿することが可能です。しかしそこには、鉄道ファンと思われる投稿者からの厳しい声も見られます。

 そのひとつは、ページに掲載されている商品画像と実物が異なることです。中央快速線で使用されているE233系は「0番台」と呼ばれるものなのですが、商品画像には「E233-5030」と書かれている――つまり、商品画像が中央快速線の「E233系0番台」ではなく、「E233系5000番台」になっているのです。

E233系5000番台はワインレッドの帯を巻き、京葉線や外房線など千葉方面で使用されている車両です。

 商品画像と実物が異なると思われる点は、もうひとつあります。台車(車輪のある部分)が違うのです。中央快速線のE233系0番台は、「DT71/TR255系」と呼ばれる台車を使っています。しかし商品画像の台車はそれではなく、横須賀・総武快速線のE217系や山手線のE231系で使われている「DT61/TR246系」という台車に見えるのです。

 もちろん投稿者たちはそれらについて真面目にクレームを入れているわけではなく、「画像が違うので星4つにしました」というように、こうしたAmazonの試みを楽しんでいる様子。

カスタマーレビューにはそうした「鉄道ファンのユーモア」が多数投稿されています。