6月20日夜に放映された、テレビ東京の人気番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」第20弾。その道中、「もし違う選択をしていたら……」という場面がいくつかありました。
【この記事には番組のネタバレを含みます】
テレビ東京の人気番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」、森尾由美さんを“マドンナ”に迎えたその第20弾が2015年6月20日(土)夜、放映されました。
出発地は北海道の洞爺湖で、目的地は同じく北海道の羅臼。ただ今回は途中、地球岬と襟裳岬、納沙布岬の3チェックポイントに立ち寄り、太川陽介さん、蛭子能収さん、森尾由美さんの3人が揃って記念写真を撮るというルールが加えられています。
結果的には、シリーズ最長の約1120kmを走破しながら、シリーズでもっとも早い4日目11時10分にゴール。見事、成功しました。しかしその途中、「もしこのとき、違う選択をしていたら……」というシーンがいくつか存在しています。
まず1日目、苫小牧駅前バスターミナルから道南バスの特急「うらかわ号」に乗って、終点の浦河ターミナルへ19時30分に到着。一行はそこでさらに先、様似営業所までバスがまだあることを発見しましたが、それには乗らず、浦河で宿泊しました。もしこのとき様似まで行っていたら、もっと早く進めたのでしょうか。
浦河5丁目を20時19分に発車するジェイ・アール北海道バスの様似営業所前行きに乗ると、様似駅へは20時45分着。そこで宿泊した場合は翌朝、一行が実際に乗ったバスより約4時間も早い、様似駅6時25分発の広尾行きジェイ・アール北海道バスに乗ることができます。
このバスはえりも岬バス停を経由しませんが、千平口というバス停に7時14分着。7時25分発のジェイ・アール北海道バス様似営業所前行きに乗ると、えりも岬7時43分着。そして11時09分発のジェイ・アール北海道バスで広尾へ12時05分に到着し、12時17分発の十勝バスで帯広駅バスターミナル14時40分着、15時05分発。陸別で乗り継ぎ19時44分に北見へ到着します。
ただその先が翌朝までなく、結局は3日目の朝9時30分に北見発と番組と同じに。もし浦河で様似まで行っていたら、北見の夜をノンビリ過ごせたかもしれませんが、目的地へ早く着くことはありませんでした。また1日目、街の規模が浦河より小さい様似へ行っていたら、宿探しに難儀していたかもしれません。
もしさらに3時間乗車、陸別着22時40分をやめていたら?番組で2日目、一行が広尾から2時間半近く乗車した十勝バスは18時45分、帯広駅バスターミナルへ到着。疲れている状況でそこからさらに3時間、22時40分着の陸別までバスに乗ることを躊躇する場面がありました。「陸別へ早い時間に行った方がいい」と太川さんが言い、先へ進むことになったものの、もしそこで疲労に負けて陸別へ行かず帯広で宿泊していたら、ゴールできたのでしょうか。
帯広で泊まり翌朝3日目、帯広駅バスターミナル発7時43分の陸別行き十勝バスへ乗車。陸別着10時33分で、10時50分発の北見行き北海道北見バスへ乗り継ぐと、北見着12時24分。
そして4日目の朝6時05分に発車する特急「ねむろ号」へ乗車し、根室駅前バスターミナル8時48分着。11時00分発の根室交通でチェックポイントの納沙布岬へ11時44分に到着して、記念写真を撮り12時35分に折り返し発車。根室駅前ターミナル13時19分着。そして15時24分発の根室交通で中標津ターミナル17時01分着。18時20分発の阿寒バスに乗って、目的地の羅臼へ19時50分に到着できます。
しかし、その最後の羅臼行きバスは平日運転で、土休日は中標津バスターミナル15時55分が羅臼行きの最終。そして、4日目のロケが行われた5月23日は土曜日。つまりもし2日目の夜、陸別へ行かず帯広で泊まっていたら中標津バスターミナルで接続がなくなり、ゴールできませんでした。
幸運に助けられたシリーズ最速記録?最終日の4日目、ゴールへ11時10分に到着というシリーズ最速記録は、ラッキーだった面があるかもしれません。
3日目、一行が釧路駅前から乗車した根室交通の特急「ねむろ号」は、根室駅前バスターミナルへ定刻の16時13分より早く到着。
もし「ねむろ号」が定刻に到着していたら、次のバスは18時00分で、納沙布岬着は18時44分。そこで6分で記念写真を撮って折り返せば以降は番組と同じバスになり、最速記録達成が可能です。
しかし納沙布岬で6分しかないと知り、翌朝の4日目に納沙布岬へ行くことにしたら、根室駅前バスターミナル発6時30分で、納沙布岬は7時14分着の9時55分発(駅前ターミナル8時20分発でも可)。根室駅前へ10時39分に戻り、10時59分発のバスで中標津ターミナル12時36分着。次は15時55分発のバスで目的地の羅臼到着は17時25分になり、最速記録達成はなりませんでした。
番組スタッフの想定がどの計画だったのかは分かりません。しかし、少なくとも本土最東端の納沙布岬で6分という慌ただしい時間を過ごすことなく「日本人のなかで一番東から」、西の空に沈むパックマンのような夕陽を眺めしみじみできたのは、「ねむろ号」が少し早く着いたおかげといえそうです。