JALが「ヘリンボーン式」を採用した、新仕様のビジネスクラスを導入します。この方式には弱点もあるのですが、ある工夫によって克服されました。

座席を斜めに配置する「ヘリンボーン式」

 JAL(日本航空)は2016年3月25日(金)、国際中長距離路線に導入するビジネスクラスの新しい座席「JAL SKY SUITE III」を報道陣に公開しました。

 従来の「JAL SKY SUITE」シリーズは座席配置が通路と並行ですが、今回新たに登場する「III」は通路に対して斜め向きの「ヘリンボーン式」配置であることが特徴です。面積効率と居住性から採用したといい、実際、ベッドの最大幅はシリーズで最も広い約74cmが確保されています。

 この「JAL SKY SUITE III」は、イギリスのZodiac Seats UK社が製造。ボーイング777-200ER型機(全11機)で採用され、2016年7月に羽田~バンコク線で登場するのをはじめ、2017年度にかけて羽田~シンガポール・ホノルル線でも導入が進められます。

「ヘリンボーン式」の弱点、ある方法で克服

「JAL SKY SUITE III」はフルフラットになり、全席から通路にアクセスできるのはもちろん、17インチの大型個人モニターやゆったりしたテーブルなど、居住性を追求した工夫が各所に盛り込まれました。

 特徴的なものとしては、足元スペースの確保が挙げられます。座席配置が斜めの「ヘリンボーン式」は、足元が狭くなってしまうのが弱点。2列席の場合、2人とも内側へ足を向けて座ることになりますが、そうなると足元の部分がぶつかるため、つま先にいくほど幅が狭くなるのが一般的でした。

 そこで「JAL SKY SUITE III」はフルフラット状態にしたとき、一方の座席は座面が少し上がり、もう一方の座席は少し下がるように設計。足元スペースを上下で重なる形にすることで弱点を克服、十分な空間を確保しています。

 ちなみに、窓側の1列席はこの必要がないことから、フルフラット時の高さは「中くらい」のままです。

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