新幹線の車両は0系から始まり、以降は100刻みで形式の数字が振られてきました。ただ、そのなかで「あるはず」なのに存在しない形式があります。
2024年に開業60周年を迎えた東海道新幹線。団子っ鼻で親しまれたその初代営業用車両の形式は0系でした。
N700系新幹線(乗りものニュース編集部撮影)。
歴代の新幹線車両は、この0系から始まり、以降は100系、200系、300系と、100刻みで形式の数字が振られてきましたが、そのなかで「あるはず」なのに存在しない形式があります。
まず、3桁の形式番号をもつ歴代の新幹線車両は、次の通りです。
・100系:東海道・山陽新幹線、1985(昭和60)年から2012(平成24)年まで
・200系:東北・上越新幹線、1982(昭和57)年から2013(平成25)年まで
・300系:東海道・山陽新幹線、1992(平成4)年から2012(平成24)年まで
・400系:東北・山形新幹線、1992(平成4)年から2010(平成22)年まで
・500系:東海道・山陽新幹線、1995(平成7)年から
・700系:東海道・山陽新幹線、1999(平成11)年から
・800系:九州新幹線、2004(平成16)年から
ちなみに900番台は、高速試験車など事業用車両に割り当てられています。700系をベースにした現行「ドクターイエロー」も923形です。
3桁台の形式名では唯一、欠番となっている形式、それが「600系」です。
JR東日本は独自の形式名に実は、当初600系と数字が振られる予定だった車両が存在します。東北・上越新幹線で1994(平成6)年から2012(平成24)まで使用された、オール2階建て車両の「Max」ことE1系です。
国鉄時代からの付番方法を踏襲し、計画当時は3桁の数字で表記されていましたが、1987(昭和62)年の国鉄分割民営化を経てJR各社が誕生すると、将来的に番号が不足することなどが考慮され、JR東日本は独自に形式名を付ける方針に変更。「東」を意味する「East」の頭文字「E」を頭に付けることとしました。
このため、仮称「600系」だった車両は新たな形式名の1番目としてE1系に。以後、JR東日本の新幹線は長野(北陸)新幹線向けから始まったE2系、山形新幹線のE3系、E1系の後継E4系というように、「E〇系」という形式が付けられていきました。現在は山形新幹線用のE8系まで登場しています。
「600系」になるはずだった車両は存在しますが、形式名は今後も欠番のままとなりそうです。
ちなみに、3桁の数字で表記される新幹線車両は現在、500系が「最古参」となっています。山陽新幹線の「こだま」で活躍する500系は今後、2027年度に運行を終了する予定。JR西日本は、山陽新幹線にN700Sを追加投入し、既存のN700Aを16両から8両に短縮。玉突きで500系を置き換えるとしています。