都営三田線に新造車両(8両×11編成)が導入されます。どのような車両になるのでしょうか。

東京都交通局「車両の形式は今後検討」

 都営三田線の輸送力がアップします。東京都交通局は2025年4月25日、同線の新造車両(8両×11編成)の入札を開札し、落札者を総合車両製作所(J-TREC)に決定しました。どのような車両が導入されるのでしょうか。

都営三田線の輸送力アップへ!「8両編成の新車」導入が決定 ど...の画像はこちら >>

直通先の東急目黒線内を走行する、都営三田線の6300形電車(2023年4月、大藤碩哉撮影)

 三田線は元々、6両編成の6300形で運転されていましたが、2022年から8両編成の新型車両である6500形が13編成投入され、同数の6300形(初期車)が置き換えられました。現在は6両編成の6300形と、8両編成の6500形が混在しています。

 東京都は2025年2月、「経営計画2025」を公表。新たに三田線の車両11編成を、2029年度までに8両とすることを明記しました。2025年3月3日に、この11編成(88両)の入札が公告され、2025年4月25日に開札した結果、落札者を169億4000万円で総合車両製作所に決定しました。

 入札には、6500形の製造メーカーである近畿車両も参加し、川崎車両は辞退しました。なお、近畿車両の入札金額は224億3824万円でした。今後投入される三田線向けの新車は、車両メーカーが近畿車両から総合車両製作所に変わることになりますが、6500形とは別の新形式車両となるのでしょうか。

 東京都交通局は、「入札公告時に公表した車両の仕様書では、形式までは指定しておらず、6500形と別形式とするかどうかは今後設計を進める中で決めていくことになります」(車両課)としたうえで、「車両メーカーが変わった場合、必ずしも別形式となるとは限りません。

例えば大江戸線向けの12-600形は、日本車両と川崎車両の2社が製造しています」と話します。

 ただ近畿車両が製造した6500形はアルミ車体で、総合車両製作所はステンレス車両のブランド「sustina」を展開しています。どのような違いが生まれるのか注目されます。

 今回製造が決まった三田線向け車両の仕様書には、車両寿命として約35年間にわたって大規模な改修が必要なく使用できることが明記されています。ちなみに、11編成の納入期限は2030年2月28日で、2027年度に8両×1編成、2028年度と29年度にそれぞれ8両×5編成を投入する計画です。

 東京都交通局は新車の導入にあたり、「型式試験や関係係員への教習などが必要な場合は、1編成目にてこれらを実施する期間を考慮した工程とすること」を車両メーカーに求めています。

 新造車両の走行路線は、都営三田線(西高島平~目黒)、東京メトロ南北線(白金高輪~目黒) 、東急目黒線(目黒~日吉) 、東急新横浜線(日吉~新横浜)となる予定です。なお仕様書には将来対応路線として、相模鉄道全線、東京メトロ南北線(白金高輪~赤羽岩淵) 、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線(赤羽岩淵~浦和美園)を走行するための改修が必要最小限で行えるような車両とすることも記載されています。

 東京都は、三田線の車両を全て8両編成にするかどうかは「現時点では決まっていない」(同)としています。

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