原子力潜水艦の解体順調か?
2026年末には解体完了予定イギリス国防省は2025年6月4日、解体作業中の原子力潜水艦「スウィフトシュア」で初めて大規模な船体切断作業が行われたと発表しました。
ドックで解体を待つ「原子力潜水艦「スウィフトシュア」(画像:SDA)
今回、初めて大規模な切断作業で除去されたのは、艦橋や潜望鏡など、重要な機能が密集している「セイル」や「フィン」と呼ばれる、艦の上部構造になります。
同艦は退役したイギリス原子力潜水艦としては、史上初の解体作業中です。しかも、同国政府はこの艦の約90%をリサイクルするとしており、高品質の鋼鉄の一部は将来の英国海軍の潜水艦の部品として再利用される方針となっています。この試みが成功すれば世界初となります。
イギリス国防省によると既に500トン以上の通常廃棄物が撤去・再利用されているとのことです。なお、解体作業は2026年末までに修了する見込みとなっています。
ちなみに、イギリス海軍では「スウィフトシュア」がネームシップとなっているスウィフトシュア級のほか、ヴァリアント級、チャーチル級の全艦が除籍され解体を待つ身であり、トラファルガー級に関しても最後に残った「トライアンフ」が退役間近となっています。そのため20隻以上の原子力潜水艦を海軍基地で保管している状態です。