アンドゥリル・インダストリーズ(アンドゥリル)は2025年6月19日、ドイツのラインメタルと、欧州向けの自律型航空機システムおよび先進的な推進技術を共同開発する戦略的パートナーシップを締結したと発表しました。

将来的にはアンドゥリルの無人機が欧州戦闘機の僚機に?

 アメリカの防衛企業アンドゥリル・インダストリーズ(アンドゥリル)は2025年6月19日、ドイツのラインメタルと、欧州向けの自律型航空機システムおよび先進的な推進技術を共同開発する戦略的パートナーシップを締結したと発表しました。

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アンドゥリルが開発している無人戦闘機YFQ‑44A「フューリー」(画像:アメリカ空軍)

 このパートナーシップでは、アンドゥリルが開発中の大量生産可能な自律型航空機シリーズ「バラクーダ(Barracuda)」の欧州仕様を開発し、ラインメタルが推進するデジタル統合戦闘管理システム「バトルスイート(Battlesuite)」へ統合する計画が示されています。

 また、将来的には無人機やミサイルなどへの搭載が想定される欧州向けの固体ロケットモーターの現地展開に関する協業の可能性についても、両社が共同で検討していくとしています。

 さらに、アメリカ空軍向けに開発が進められている無人戦闘機YFQ‑44A「フューリー(Fury)」の欧州仕様を「バトルスイート」へ統合する構想も明記されており、両社が共同でその実現に向けて取り組む方針です。

 これは、ドイツ・フランス・スペインが共同開発を進める第6世代戦闘機構想(FCAS:Future Combat Air System)において、YFQ‑44A「フューリー」が人工知能を搭載した僚機(ロイヤル・ウィングマン)として採用される可能性を示唆するものと言えるでしょう。

 YFQ‑44Aは、アメリカ空軍が開発中の無人機としては初めて、戦闘機を示す「F」の形式記号に準ずる指定を受けた2機のうちの1機であり、高度な自律飛行能力を持つことに加え、将来的には有人機や他の無人機との連携による空中戦への参加も想定されています。

 なお、アンドゥリルは2017年に設立された新興企業ではありますが、既に無人兵器の分野では、大きな存在感を発揮しています。

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