国土交通省 長崎河川国道事務所とNEXCO西日本は2025年7月29日、長崎県の西九州道 佐々IC~佐世保中央IC間(佐世保道路、9.9km)が4車線化してから4か月後の交通状況について発表しました。

西九州道「有料化」とともに「4車線化」

国土交通省 長崎河川国道事務所とNEXCO西日本は2025年7月29日、長崎県の西九州道 佐々IC~佐世保中央IC間(佐世保道路、9.9km)が4車線化してから4か月後の交通状況について発表しました。

全国初「無料高速の有料化」で4車線化、受け入れられてる…? ...の画像はこちら >>

4車線化された西九州道 弓張トンネル(画像:NEXCO西日本)。

 西九州道では佐世保大塔IC~佐々IC間16.9kmの4車線化事業が行われており、西側の佐世保中央IC~佐々IC間9.9kmは、3月23日に開通しました。これと同時に、佐世保中央IC~佐々IC間は新たな料金が適用され、管理も国土交通省からNEXCO西日本へ移管。国土交通省が整備したいわゆる「無料高速」が、4車線化とともに有料化された初めてのケースとなりました。

 ただ、料金徴収はやや変則的で、佐世保中央IC~佐々IC間のみの利用は従前どおり無料ですが、佐世保中央IC以東にまたがって利用する場合は有料に。佐世保大塔IC~佐々IC間の料金は、ETC普通車で普通車160円から370円となっています。

 その結果、4車線化区間の交通量は暫定2車線(無料)時より増加し、最大で1日当たり800台増加した区間もありました。一方で、朝夕のピーク時に発生していた渋滞は解消され、佐世保道路全線(佐々~佐世保大塔)の朝ピーク時所要時間は最大14分短縮されています。

 佐々町役場から佐世保市総合医療センターまでの搬送時間は、ピーク時で約29分から約17分となり、約12分の時間短縮を実現。佐世保市消防局によると、走行性の改善により搬送時の傷病者への負担軽減にもつながっているといいます。

 また暫定2車線時代には、この区間で正面衝突事故が5年間で3件発生し、事故が起これば全面通行止めとなっていましたが、完成後は正面衝突事故に伴う通行止めは発生していないとのこと。NEXCO西日本は残る佐世保中央IC~佐世保大塔IC間の4車線化とリニューアル工事を同時並行で進めています。

 ちなみに、西九州道と同時期に、4車線化と「再有料化」が行われた福岡県の「八木山バイパス」では、本線の交通量が減少し、並行する国道と県道の交通量が増えました。

 西九州道の場合は、4車線化された区間は交通量が増えた一方、いま4車線化工事とリニューアル工事が行われている佐世保中央IC~佐世保大塔IC間は交通量が減少する結果となっています。事業進捗を図るとともに、引き続き周辺の交通状況を注視するということです。

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