東京国際クルーズターミナルや日本科学未来館などがある東京「お台場」の一角、江東区の青海エリアに、「ポートストア」と呼ばれるコンビニエンスストアがあります。
このコンビニ、外観にちょっと妙な点が。
ローソンのウェブサイトで「ポートストア」というキーワードを入れて店舗検索してみると、「ローソン ポートストア〇〇店」あるいは「ローソン Sポートストア〇〇店」という名称の店舗が5軒ヒットしました。すべて東京都内にあり、江東区もしくは港区のみとなっています。これらは「ローソン」なのでしょうか。
ローソン広報室によると、「『ローソン ポートストア○○店』は、弊社の店舗です。この名が付く店は2002(平成14)年にオープンし、店舗数を順次拡大してまいりました」とのこと。
ただ、「ポートストア〇〇店」といった名のコンビニは、ローソンだけではありません。同じ江東区の臨海部に位置する若洲地区などには、ほぼ「ファミリーマート」に近いものの、店名だけが「PORT STORE」となっている「ファミリーマート ポートストア〇〇」もあるのです。
ナゾの「ポートストア」立地の共通点は「港」これらコンビニが立地している場所は東京の臨海部、都が定める「東京港」の区域内にあります。東京港において売店や食堂などを管理運営している一般財団法人 東京港湾福利厚生協会のウェブサイトでは、「売店(コンビニエンスストア)」として「青海サービスセンター売店」や「若洲サービスセンター売店」などが写真付きで掲載されていますが、それらはまさしく、前出の「ローソン」や「ファミリーマート」に近い外観の「ポートストア」です。
「ローソン」のような「ポートストア」のレシートには、「ローソン」のロゴが印刷されている(乗りものニュース編集部撮影)。
同協会によると、「ポートストア」とは港湾地区にある売店で、都から依頼を受け、売店の営業許可を得て出店しているといいます。このような大手コンビニと提携した「ポートストア」を始めたのは30年ほど前からで、昔は軍手などの用品を売る小さな売店だったものの、拡大するにあたり自前ではノウハウがなかったことから、大手コンビニチェーンと提携したとの答えでした。
また、かつては「サークルKサンクス」や「デイリーヤマザキ」の店舗もありましたが、前者は経営統合により「ファミリーマート」へと転換、後者はなくなり、いまは「ローソン」と、「ファミリーマート」のみとなっています。
では、なぜ「ローソン」「ファミリーマート」の店名ではないのかというと、東京港湾福利厚生協会は非営利の団体であり、特定の民間店舗の看板を付けないようにしているからです。
昔は店員の名札などについていたロゴマークも取り除いていたものの、制度の変化とともに規制が緩やかになっているといいます。店ごとに品揃えの地域性はあるものの、基本的には一般的な「ローソン」「ファミリーマート」と変わりないそうです。
ちなみに現在、横浜市の港湾地域にも東京港と同様、横浜港湾福利厚生協会が管理する「ファミリーマート」の「ポートストア」が存在します。