JR東日本は2025年10月8日、運賃改定の詳細を発表しました。改定は2026年3月14日に実施。
運賃は「購入日」を基準に適用されます。乗車日や有効開始日が3月14日以降であっても、3月13日までにきっぷや定期券を購入すれば、改定前の運賃が適用されます。インターネットの「えきねっと」の場合は、決済日が「購入日」となります。
今回の運賃改定では、JR東日本から他のJRにまたがって利用する場合の運賃計算方法も変わります。改定後は「通算加算方式」を導入。全区間の営業キロに、JR東日本区間のキロ数に対応する加算額を加えた金額が運賃となります。
運賃改定で最も大きな変更の一つが、東京~熱海間における東海道新幹線と東海道本線(在来線)の「別線化」です。
この区間は現在、同一線路として運賃計算しているため、新幹線経由のきっぷで在来線を、在来線経由のきっぷで新幹線を利用できますが(選択乗車制度)、改定後は別線扱いに変わるため、実際の乗車経路どおりにきっぷを購入し、きっぷの経路どおりに乗ることになります。
例えば、東京から新幹線に乗り、熱海で在来線に乗り換えて湯河原に行く場合の乗車券(運賃)は以下のようになります。
・現行:「東京山手線内→熱海1980円」と「熱海→湯河原190円」の2枚(計2170円)
・改定後:「東京山手線内(新幹線)→熱海→湯河原1990円」の1枚
東京~熱海間を、行きは新幹線「こだま」、帰りを在来線特急「踊り子」で利用する場合の乗車券(運賃)は以下のようになります。
・現行:「東京山手線内→熱海1980円」と「熱海→東京山手線内1980円」の2枚(計3960円)
・改定後その1:「東京山手線内(新幹線)→熱海(在来線)→小田原2330円」と「小田原(在来線)→東京1600円」の2枚(計3930円)
・改定後その2:「東京山手線内(新幹線)→熱海1980円」と「熱海(在来線)→東京山手線内2090円」の2枚(計4070円)
「東京都区内」「東京山手線内」などの特定区間に関する運賃計算も一部変更されます。
これらの制度自体は運賃改定後も引き続き適用されますが、東海道新幹線で品川以遠(新横浜方面)へ行く場合、東京~品川間は新幹線を利用するかどうかにかかわらず、新幹線経由(JR東海の運賃)で計算され、それ以外の場合は在来線経由(JR東日本の運賃)で計算されます。
「横浜市内」制度が適用される乗車券についても、新幹線の新横浜経由で乗車する場合は、新横浜を中心駅として運賃計算を行います。新幹線以外の経路を利用する場合は、これまでどおり横浜が中心駅です。
このほか、「往復乗車券」「連続乗車券」や、「山手線内均一定期券」(1ヶ月1万4970円)は、運賃改定前日の2026年3月13日に発売を終了します。
なお、往復乗車券廃止に伴い、学割割引は、「片道の営業キロが101キロ以上の区間を乗車する場合、同時購入を条件に1枚の学割証で片道2行程まで発売する」というルールに変更します。
また、駅の入場券も3月14日から、改定後の初乗り運賃と同じ160円に値上げします。なお、他社との共同使用駅である新横浜・国府津・小田原・熱海・甲府・辰野・塩尻・南小谷・上越妙高の各駅は150円とします。