2025年11月25日、アメリカ海軍のジョン・フィーラン長官が、建造を進めていた新たな水上戦闘艦「コンステレーション級フリゲート」の計画を中止すると発表しました。
【これらも候補…?】ぽしゃった新型フリゲート計画の「代わり」になりそうな艦(画像)
同海軍肝いりの計画は、なぜ頓挫することになったのでしょうか。
海上自衛隊のもがみ型をはじめ、対艦・対潜・対空のすべての任務をバランスよくこなせるフリゲートは、今や大多数の国の海軍には不可欠な存在となっています。しかし、アメリカ海軍は2015年にオリバー・ハザード・ペリー級フリゲートを退役させてから、フリゲートに分類される水上戦闘艦を保有していませんでした。
アメリカ海軍はオリバー・ハザード・ペリー級と入れ替える形で、対テロ戦などの非正規戦への対応能力を重視した、LCS(沿海域戦闘艦)のフリーダム、インディペンデンス両級を導入しましたが、構造上のトラブルや運用コスト上昇に見舞われたうえ、アメリカ軍の主任務が非正規戦から、中国などとの国家対国家の正規戦へとシフトしている状況下ではLCSでは対応が困難だと考え、計画を変更。52隻の建造を計画していたLCSを32隻で打ち切りました。
さらに20隻分について、LCSに比べて固定兵装が充実し対艦・対空・対潜のすべての任務をこなせるミサイルフリゲート「FFG(X)」を建造することとしました。その結果誕生したのがコンステレーション級というわけです。
アメリカ海軍は2020年4月に、イタリアの造船企業であるフィンカンティエリが提案した「FREMM」(イタリア海軍での呼称はカルロ・ベルガミーニ級フリゲート)をベースとする設計案を採用すると発表。同日フィンカンティエリのアメリカ法人フィンカンティエリ・マリネッティ・マリーンと1番艦「コンステレーション」の設計と建造契約を締結し、2022年8月31日には起工にこぎつけていました。
コンステレーション級の建造計画中止は、開発・建造の大幅な遅延と、それに伴うコストの高騰に起因しています。
これはCOVID-19の世界的な大流行に伴う産業界の混乱や、全世界で戦うことを求められるアメリカ軍が使用する防衛装備品という性質上、アメリカ製防衛装備品にありがちな「あれもこれも病」とでも言うべき装備の追加に加えて、アメリカの造船業の大幅な能力低下も影響していると筆者は思います。
そもそも新型フリゲートが外国艦ベースのワケ冷戦期までアメリカの造船業は世界をリードしていましたが、冷戦終結後の軍縮、予算削減で約300か所存在した造船所は閉鎖され、大型艦船を建造できる造船所は数か所となっています。
オリバー・ハザード・ペリー級フリゲート「ヴァンデクリフト」。
冷戦終結に伴う軍縮、予算の削減の影響は造船能力だけでなく、開発能力の低下ももたらしています。冷戦期までは自前で開発できた水上戦闘艦の原型をヨーロッパで開発されたFREMMに求めたのは、その証左の一つと言えるでしょう。
なおフィーラン長官は今後について、「コンステレーション」と2番艦「コングレス」のみは建造を続行し、その後は「より迅速に建造できる新しい艦艇クラスに注力する」と述べています。
だったら日本も提案できるのでは?近年では開発・建造期間の短縮とコストの縮減を狙って、他国が開発した水上戦闘艦の設計を流用して新型水上戦闘艦を開発することがトレンドとなっています。アメリカ海軍がコンステレーション級のベースをFREMMに選定したのも、その狙いがあったからです。
フィーラン長官はコンステレーション級に代わる新型水上戦闘艦について、「迅速に建造できる」ことを重視する考えを示しています。ドナルド・トランプ大統領はアメリカの造船能力の復活を掲げているとはいえ、一朝一夕で実現はしませんから、迅速な建造を重んじるのであれば、新たな水上戦闘艦も外国企業の設計をベースに開発される可能性は高いでしょう。
その場合、既に他国で実績のあるイギリスや韓国なども提案してくるものと思われますが、筆者は日本もオーストラリアに提案した「FFM-AAW」(改もがみ型)を提案してみても良いのではないかと思います。
既存の基本設計を使用して、導入国の仕様に合わせた新たな水上戦闘艦を開発するという手法は、オーストラリアへの提案で確立されていますし、FFM-AAWにはニュージーランドも導入に意欲を示していますから、実績は少ないとはいえ、自信を持って提案できるレベルにあると思います。
アメリカには、軍が使用する防衛装備品をアメリカ国内で製造しなければならないというルールがありますし、コンステレーション級と同様、兵装などの装備はアメリカ海軍に最適化されたものが搭載されるでしょうから、日本の造船・防衛産業へのメリットは、決して大きなものではありません。しかし、同じ基本設計を使用している艦艇であれば、有事・平時を問わず部品の融通の幅は広がりますし、訓練プログラムの一部共通化も見込めます。
それ以上に同盟国であるアメリカ、同志国であるオーストラリア、ニュージーランドと共に準同型艦でインド太平洋をパトロールすることは、軍事力を背景に海洋の自由利用を制限しようとしている節のある中国に、無言のプレッシャーを与えられる可能性も生じてきます。
この記事を執筆している12月上旬時点で、アメリカはまだコンステレーション級の代替案を発表していません。仮に日本がFFM-AAWを提案したとして、その提案をアメリカ海軍が受け入れる可能性を予測することは困難ですが、防衛装備品の設計を提案できるレベルの同盟国であることを認識させるのは、今後の日米同盟にとってプラスになることは間違いないと思いますし、その意味においても、FFM-AAWをアメリカに提案してみる価値はあると筆者は思います。

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