2026年7月1日付で廃止

 JR貨物は2025年12月22日、土崎~秋田港間を結ぶ秋田港線の第1種鉄道事業廃止届を提出したと発表しました。同線は今年度をもって旅客列車の運行が終了するほか、貨物列車の運行に見合う需要が見込めないため、2026年7月1日付で廃止するとしています。

【路線図】これが今回廃止される区間のルートです

 秋田港線は奥羽本線の貨物支線で、土崎~秋田港間の1.8kmを結んでいます。1907年に開業し、秋田港駅で接続する秋田臨海鉄道線に発着する化学薬品や紙製品を中心とした貨物輸送が行われてきましたが、2021年3月に定期貨物列車の運行が終了しています。

 その一方で、2017年8月より、秋田港に寄港したクルーズ客船の乗客輸送のため、JR東日本によるクルーズ客船の乗客専用列車の運行が行われていました。それに伴い、秋田港駅には専用のプラットホームや駅舎、駅名標も設けられています。定期旅客列車が発着せず、クルーズ船が秋田港に寄港した時だけ営業する秋田港駅は「幻の駅」としても知られています。

 かつてはキハ40系を改造した「あきたクルーズ号」も運行していましたが、コロナ禍による運行休止中に廃車を迎えました。その後は五能線などの普通列車に使用されるGV-E400系気動車で運転されており、今年10月には鉄道ファン向けの体験乗車会も開催されていました。

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