世界に2台のみの「クラウンセダンパトカー」

 2026年1月9日、名古屋市南区にある日本ガイシスポーツプラザの駐車場で「令和8年 愛知県警察視閲式」が開催されました。式典では愛知県警察による部隊視察や音楽隊のドリル演奏、白バイの走行訓練、警察官らによる分列行進などが行われ、日頃の訓練の成果などを披露しました。

【写真】激レア「クラウンFCEV」パトカーを前後左右いろんな角度からイッキ見!

 そうしたなか、大きな注目を集めていたのが、デビューしたばかりの「クラウンセダン FCEV」パトカーです。配属先は自動車警ら隊。警察署の管轄を超えた機動的な活動を行い、都道府県全体で活動する部署になります。

 振り返ると、クラウンは代々パトカーに採用されてきました。元々はトヨタが1955年に発表した高級セダンです。当時、海外メーカーの部品を輸入し国内で組み立てのみを行う「ノックダウン生産」が主流だった中、純国産技術を使った国内初の乗用車として登場しました。

 その後、日本の自動車普及に合わせて人気を獲得。7代目モデルで使われたキャッチコピー“いつかはクラウン”は、今でも語り継がれる名文句として定着しました。現行モデルは通算16代目で、「クロスオーバー」「スポーツ」「エステート」「セダン」の4タイプに分かれているのが特徴です。

 ただ、セダンがあるとはいっても、歴代クラウンと異なり、この16代目はパトカーとしては激レアです。導入しているのは愛知県警と福島県警しかなく、全国に大量配備されている従来型クラウンベースのパトカーと異なり、ほとんど見かけることはありません。

 なお、台数は愛知県警が2台(クロスオーバーとセダン)、福島県警が1台(セダン)のみです。

そんな「激レア車」を今回じっくり見てきました。

走りはイイかも! 隊員が漏らした“車幅と補給”の本音

 愛知県警のクラウンセダンは、燃料電池(FCEV)モデルです。 ボディサイズは全長5030mm×全幅1890mm×全高1475mm。ホイールベースは3000mm、駆動方式はフロントエンジン後輪駆動のいわゆるFR方式。パワートレインは、最大174馬力を出力するFCスタックと最大182馬力・最大トルク30.6kgf-mを出力するモーターを組み合わせています。

愛知と福島だけ! 新型「クラウンセダン」パトカー 使い勝手ど...の画像はこちら >>

車体側面には「FCEV ZERO EMISSION」という文言も(鈴木伊玖馬撮影)。

 なお、福島県警の車体も同じくFCEVモデルのため、市販車の売れ筋であるハイブリッド仕様(2.5リッター直列4気筒エンジン+モーター)は2026年1月現時点では、パトカーにはなっていません。

 愛知県警察がFCEVモデルのクラウンセダンパトカーを導入したのは2025年12月のこと。現在、愛知県では水素のサプライチェーン構築や利活用の促進に向けた取組を進めており、今回のクラウンセダンのパトカーとしての導入は、その水素需要創出に向けた一環になるといいます。

 視閲式では実際に走行しているシーンもありました。FCEVだけあって、走行音はかなり控えめな印象でした。

 まだまだ珍しいFCEVパトカーですが、県警の担当者いわく「走り自体は一番良いかもしれない」と感じるほど走行性能は高いようです。

また「昔のクラウンより車幅は大きい」とも答えてくれました。

 ただ、FCEVということで燃料補給には、多少の苦労があるようです。燃料残量に関しては他の車より気を払っているような雰囲気がありました。ちなみに、基本的には民間車と同じ燃料ステーションで補給をしているそうです。

 最新型のパトカーだけに、来場者からの注目はかなりのもの。子連れの家族から、車両好きの大人まで、多くの人が写真撮影をしていました。

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