万能じゃないスタッドレス 苦手なのは「急坂」

 スタッドレスタイヤの性能は年々進化し、圧雪路、凍結路、シャーベット路など、日本の冬に現れるさまざまなコンディションに幅広く対応。一般に普及しはじめた当初の「圧雪路は走れるけど凍結路だと心許ない」といった弱点はすでに過去のものとなっています。

【ナメたらスタック祭り!?】これが「スタッドレスだけでは要注意」のスキー場です!(地図/写真)

 そんなスタッドレスタイヤでも、やはり苦手とする条件があります。それは上り下りの凍結した急坂です。

 具体的には、上り坂では「2WDだと上れない」、下り坂では「ブレーキを踏むとABSが作動してクルマがそのまま進んでしまう」といった現象として現れます。これらの条件は、とくにスキー場への行き帰りでよく遭遇するシチュエーションです。

 では実際に、どのスキー場で、そうした“スタッドレスタイヤの弱さ”でアクセスが困難になってしまうのでしょうか。首都圏から日帰りや1泊の範囲で行ける関東近郊のポイントから、いくつかピックアップしましょう。

2WDでは登れないクルマ続出「湯の丸スキー場」

 まずその代表格が、長野県東御市の「湯の丸スキー場」です。「上信越道」を「小諸IC」もしくは「東部湯の丸IC」で流出し、県道94号東御嬬恋線で地蔵峠を越えるルートが一般的なアプローチとなります。

 この地蔵峠に向かう県道94号は、ふもとから峠までの約12kmで約1000mも標高を上げる急峻な道で、本格的な峠の上りに差しかかってからは10%を越える急勾配が延々と続きます。

 とくに後半は急カーブが続き車速が落ちるため、路面凍結時はもちろん、圧雪時でも、2WD+スタッドレスでは上れないクルマが続出します。もし2WDでこのスキー場に向かう場合はタイヤチェーンを必ず携行し、路面に雪が見えはじめたら、最寄りの脱着所で装着して再出発しましょう。坂道の斜度は峠が近づくほど増してくるため、早め早めの対応がポイントです。

立ち往生に注意「川場」「たんばら」

 つぎは「関越道」の「沼田IC」から近く、日帰りスキー&スノボに人気の「川場スキー場」「たんばらスキーパーク」(群馬県)です。

 川場スキー場は沼田IC方面から群馬県道263号を、たんばらスキーパークは同266号を使ってアクセスしますが、このどちらのルートも、スキー場手前で急坂のヘアピンカーブが続きます。圧雪路や凍結路でも、クルマの流れがあれば2WD+スタッドレスでもなんとか走行できますが、交通集中で流速が落ちたり、スタックするクルマが現れた場合などは、その巻き添えにより路上で停止せざるをえなくなり、再発進できない可能性があるのです。

 またこれらの道路は南斜面に向いているため、日中は太陽に照らされて路面上に流れた融雪が、夕方の冷え込みで再凍結し、極端に滑りやすい路面となることもあります。

 この両スキー場に2WD+スタッドレスタイヤで安全に向かうには、往路は道路が空いている早朝の時間帯を選ぶのが得策でしょう。また帰路の下り坂については、滑りやすさは4WD+スタッドレスでも同様なので、リスクを避けるには早めの出発が理想です。

 なお、まとまった雪が降り続いてるときは、往路でスタックするクルマが続出し、スキー場の手前で長時間渋滞することがあります。そうした天候の際は、沼田ICを降りたところでスマホの地図アプリを使い、渋滞状況をあらかじめ確認し、時間がかかるようであれば行き先を尾瀬方面など他のエリアのスキー場に変更することをおすすめします。

凍結の名所「志賀高原」

 最後に、日本有数のウインターリゾートである、長野県の「志賀高原スキー場」です。
この志賀高原へは「上信越道」の「信州中野IC」から国道292号でアプローチし、志賀高原内では長野県道471号を使って巡ります。

スタッドレスでも「の、登れない…!?」 2WD車は“チェーン...の画像はこちら >>

志賀高原の入口に位置する上林チェーンベース(画像:PIXTA)。

 しかし、そもそも標高が高く気温の低いところを走る国道292号は凍結路になりやすく、とくに急カーブで谷をまたぐ「坊平橋」は吹きっさらしで凍結の“名所”となっています。

また県道471号に数か所あるトンネルでは、路面がカチカチの氷盤路になっていることが珍しくありません。

 さらに気温が上がり雨が降ったあとの冷え込みでは、志賀高原各所の坂道はミューの極端に低いアイスバーンとなります。

 志賀高原エリアの冬季の通行については、志賀高原公式サイトでも「2WD車はチェーンを推奨」としているように、訪ねる際は必ずチェーンを携行し、状況によって志賀高原の入口となる「上林チェーンベース」での装着を強くおすすめします。

※ ※ ※

 このほかのスキー場でも、2WD+スタッドレスの場合、駐車場料金所の渋滞で上り坂で停止し、再発進できないといったケースは過去にも例があります。2WD+スタッドレスでスキー場に向かう際は、検索サイトで「スキー場名+チェーン」といったキーワードで検索し、アクセス難易度を事前に確認しておくといいでしょう。

編集部おすすめ