「いざという時」の保険的な役割

 乗りものニュースでは、2026年1月28日(水)から2月4日(水)にかけて、「交通系ICカード」に関する読者アンケートを実施しました。きっぷやICカードに加え、モバイル決済やクレジットカードなど、運賃決済の方法が多様化するなかで、意見を募集しました。

【最後に使ったのはいつ?】これがきっぷの利用実態です(画像)

 改札を通過する際に多く利用されているのは「交通系ICカード」とモバイルSuicaなどの「スマホ」で、全体の約85%を占めました。

 一方で、「きっぷ」を利用しているという回答は4.5%に留まりました。ただ、この数字は、近年導入が進んでいる「クレジットカードのタッチ決済」と同率です。

 直近できっぷを利用した時期について聞いたところ、2026年1月以降にきっぷを利用した人は、2月4日時点で23.5%を占めました。2025年の1年間では27.6%が利用経験ありと回答し、「10年以内」が13.1%、「最後に使ったのは10年以上前」が11.4%でした。

 他方、10.0%は「最後にいつきっぷを使ったか覚えていない」と回答しています。

 きっぷの利用については、ICカードやモバイル決済が普及していることから、「券売機で購入するのが面倒。行き先を調べ、その金額の切符を買うのが大変」(70代以上・女性・九州沖縄在住)といった声が寄せられました。

 一方で、「スマホを忘れ、タッチ決済サービスもないので、切符を買わないと乗れなかった」(50代・男性・首都圏在住)など、普段利用しているスマホやICカード、定期券を忘れた場合や、スマホの充電切れといった“いざという時”に、きっぷを利用するケースも少なくないようです。

「企画乗車券(特典付き割引きっぷ)を使ったから」(60代・男性・首都圏在住)
「分割で切符を買うと安い区間がある。キャッシュレスではできない」(60代・男性・近畿在住)
「大人の休日倶楽部パスなど切符でないと割引で乗れないから」(60代・男性・近畿在住)
「ICカードが使えない特急列車乗車の為」(50代・男性・北海道在住)
「新幹線 スマートEXでは山手線内移動が有償となるため」(60代・男性・首都圏在住)

 企画乗車券などのフリーきっぷのなかには、磁気券のみで提供されているものもあります。一部区間ではICカードよりも、きっぷの方が運賃が安く設定されている場合があり、その際にはあえてきっぷを選ぶという声もありました。

「改札がICカード等に対応していないから」(10代・男性・東北在住)
「しこくスマートえきちゃん(JR四国のスマホアプリ)あるいは切符しか使えないから。タッチ決済は全て使用不可」(50代・男性・中国四国在住)

 また、地方の鉄道利用者からは、ICカードやモバイル決済、クレジットカードのタッチ決済に対応していない路線・駅があるとの指摘も寄せられ、IC化の導入を望む声が挙がりました。

「振替輸送」の対象はきっぷのみ

 また、振替輸送への備えとして、あえてきっぷを利用しているという意見も多く挙がりました。

10人に1人が「いつきっぷ使ったか覚えていない」 少数派の“...の画像はこちら >>

「青春18きっぷ」の券面(乗りものニュース編集部所蔵)

「基本ICカード、混乱時は振替輸送に備えて紙のきっぷを購入」(60代・男性・首都圏在住)
「遅延が多いため。きっぷだと振り替え輸送の対象になる」(40代・男性・近畿在住)
「カードは振替乗車ができないなど非常時に不利」(20代・男性・近畿在住)

 アクシデント発生時にきっぷを購入しているという声や、遅延の多い路線を利用しているため日常的にきっぷで鉄道を利用しているという回答者もいました。

 トラブルによる遅延や運行不能が発生した際、所持している乗車券の乗車区間を、指定された別の輸送機関で追加運賃なしに利用できるのが「振替輸送」です。しかし、ICカードでの改札通過は原則として振替輸送の対象外となっています。

 鉄道の振替輸送がきっぷに限られる理由は、振替輸送の条件として「改札通過時点で運賃が確定していること」が求められるためです。

 きっぷは乗車区間に応じた運賃を事前に支払いますが、ICカードなどは改札を出た時点で運賃が確定する仕組みとなっています。

「将来的にきっぷから置き換えるのであれば、ICも振替輸送の対象にしてほしい」(30代・男性・首都圏在住)
「ICカードの残高で乗っても振替輸送の対象になって欲しい…」(40代・男性・中部在住)

 こうした制度を踏まえ、今後きっぷの取り扱いが縮小・廃止されるのであれば、ICカードなどでも振替輸送の対象となるようなシステム整備を求める意見が挙がりました。

「現金全廃ではなく、何らかの形で維持して貰いたい」(60代・男性・首都圏在住)
「スマホが使えない場合も考えて切符、券売機は残して欲しい」(50代・男性・近畿在住)
「旅の記録として残る“何か”は、残して欲しい」(50代・男性・首都圏在住)

 また、モバイルSuicaなど、スマホを使った鉄道利用が進む一方で、きっぷや現金利用の継続を望む声も少なくありません。特に旅行者からは、旅の記念として手元に残る点を理由に、きっぷの完全な廃止には否定的な意見が目立ちました。

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