JR vs京成:運賃逆転区間もあり

 JR東日本が、2026年3月に運賃を値上げします。改定後、JR東日本の路線と競合する京成線・東京メトロ東西線・都営新宿線などとの運賃の関係はどう変わるのでしょうか。

ここでは普通乗車券の運賃を中心に比較をしていきます。

【形勢逆転?】これが総武線や山手線と競合する私鉄です

 JR東日本と京成は、成田空港への空港アクセスや上野~成田間など、複数の区間で競合しています。

 上野~成田間は、JRが割安な特定運賃を設定していますが、今回の改定で廃止します。これにより940円(IC運賃935円)から1230円(1221円)へ一気に上がります。一方、京成上野~京成成田間は860円(859円)のままで、京成の割安感が目立っています。

 新橋~成田空港間は、JR総武快速線経由が1520円(1518円)から1600円(1595円)に。一方、京成は都営浅草線に乗り入れるアクセス特急(料金不要)を運行していますが、運賃の合計は1420円(1414円)で、京成との運賃の差が開きます。

 このほか、JRの運賃改定により、京成との金額差が縮まる区間や、京成の方が割安になる区間もあります。

 上野~本八幡間は、JRが320円(318円)から350円(341円)に上がりますが、京成上野~京成八幡間は340円(335円)のため、運賃が逆転して京成の方が割安になります。

 上野~船橋間は、JRが410円(406円)から440円(IC同額)に。一方、京成上野~京成船橋間は450円(IC同額)のため、JRの運賃が京成に近付きつつも割安を維持します。

京成との完全並行区間の運賃は?

 JRの幕張本郷~千葉間と、京成千葉線の京成幕張本郷~京成千葉間は路線が並行しています。

この区間は、JRが180円(178円)から210円(209円)に上がる一方、京成は250円(241円)のままで、両社の運賃の差が縮まります。

 JRの改定後と京成の運賃を比較すると、大半の部分で京成の方が割安です。しかし、11kmから15kmの間は京成の方が割高です。京成幕張本郷~京成千葉間は10.2kmで、運賃計算時は11kmとして扱うためJRより割高になり、本来の運賃だと280円(272円)となってしまいますが、京成も特定運賃を設定して金額を抑えています。

 また、1駅短い区間だと、幕張~千葉間はJRが180円(178円)から210円(209円)に上がる一方で、京成幕張~京成千葉間は200円(199円)なので、こちらは運賃が逆転します。

JR vs京成:松戸~千葉間で最も運賃が安いのは?

 松戸~千葉(京成千葉・千葉中央)間は、京成が直通列車を運行しています。JRは乗り換えがあるものの所要時間の面では若干有利です。JRの松戸~千葉間は660円(659円)から720円(715円)に上がりますが、京成線経由は560円(544円)と割安です。

 松戸~千葉間の移動で最も安いのは、京成松戸線とJR総武線との乗り継ぎです。この場合は、京成新津田沼駅とJR津田沼駅の間を歩いて乗り換える形になります。この経路の運賃は、510円(502円)から540円(525円)に上がります。運賃改定後も、京成線のみで移動する場合より20円程度割安です。

JR vs地下鉄:やっぱり地下鉄が安い?

 中央・総武線各駅停車は、地下鉄の東京メトロ東西線や都営新宿線と競合しています。運賃を比べると、近距離はJRが、長距離は地下鉄の方が割安です。

 新宿~本八幡間は、JRが410円(406円)から440円(IC同額)に。一方、都営新宿線は380円(377円)のままで、都営新宿線の割安感が目立つようになります。

 新宿~秋葉原(岩本町)間は、JRが180円(178円)から210円(209円)に上がり、岩本町発着の都営新宿線220円(IC同額)に迫ります。

 JRの新宿~市ケ谷間は170円(167円)から200円(199円)に上がる一方、都営新宿線の新宿~市ヶ谷間は180円(178円)のため逆転します。

 東京メトロ東西線は中央・総武線各駅停車のバイパス路線でもあり、競合しています。

 飯田橋~西船橋間は、JRが410円(406円)から440円(IC同額)に。一方、東京メトロ東西線は300円(293円)のままで、運賃の差がさらに開きます。

 京葉線も東京メトロ東西線や有楽町線と競合しています。東京~西船橋間は、JRが320円(318円)から350円(341円)に。一方、東京メトロ東西線の大手町~西船橋間は300円(293円)で、東西線の割安感が目立ってきます。

 また、京葉線の東京駅は、隣の有楽町駅と距離が近く、東京(有楽町)~新木場間が競合します。JRの東京~新木場間は180円(178円)ですが、運賃改定後は東京メトロ有楽町線の有楽町~新木場間と同額の210円(209円)となります。

山手線より地下鉄が割安に

 今回のJRの運賃改定で、割安だった山手線内の運賃区分が廃止されます。このため山手線内は運賃が大きく上がる区間があり、地下鉄の方が割安になる場合もあります。

 新宿~浜松町(大門)間は、JRが210円(208円)から260円(253円)に。一方、大門発着の都営大江戸線は220円(IC同額)のままで、地下鉄の方が割安となります。

 目黒~田町(三田)間は、JRが180円(178円)から210円(209円)に。一方、三田を発着する都営三田線は180円(178円)に据え置かれます。

 五反田~田町(三田)間は、JRが170円(167円)から200円(199円)に。一方、三田を発着する都営浅草線は180円(178円)で、こちらは都営浅草線の方が割安となります。

 新宿~東京間や池袋~東京間は、JRが210円(208円)から260円(253円)に。一方、東京メトロ丸ノ内線の両区間はいずれも210円(209円)で、地下鉄の方が割安になります。

 池袋~渋谷間は、JRと東京メトロ副都心線が競合しています。JRが180円(178円)から210円(209円)に上がり、副都心線と同額になります。

 新宿~渋谷間や新橋~上野間は、JRが170円(167円)から200円(199円)に。一方、東京メトロ副都心線新宿三丁目~渋谷間や銀座線新橋~上野間は180円(178円)で、地下鉄の方が割安となります。

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