新幹線の線路や架線の状態をチェックする「ドクターイエロー」こと923形新幹線電気軌道総合試験車。JR東海のドクターイエロー(T4編成)は老朽化のため2025年1月をもって検測走行を終了し、すでに引退しました。
JR西日本のT5編成も2027年以降を目途に検測を終了する予定で、具体的な検測終了時期などは内容が固まり次第示されるとされています。
多くのファンに愛されたあの鮮やかな「黄色い車体」ですが、なぜあのようなカラーリングになったのでしょうか。
実は、東海道新幹線の保守用車両などは、夜間でも遠方から判別しやすいよう、黄色が採用されてきた経緯があります。
また、ドクターイエローは駅にも停車しますが、客を乗せることはできません。そのため、駅停車中にホームにいる一般客が定期列車と間違えて乗車しないように、一目で区別がつく黄色を採用したともいわれています。
まさに“安全”と“分かりやすさ”から生まれたシンボルカラーだったと言えるでしょう。
専用車から営業車へ “高頻度検測”に移行ドクターイエローがいなくなって、新幹線の安全はどのように確保するのかと心配になる人もいることでしょうが、実はここからが驚きの“進化”のポイントです。
ドクターイエローの役割は、通常の営業車でできるようになった(画像:写真AC)
JR東海は、画像処理技術やAI技術を活用した最新の「営業車検測技術」を開発しました。
専用車であるドクターイエローは月に数回ほどの走行でしたが、今後は毎日数多く走る営業列車(客を乗せる定期列車)が、自ら軌道や架線の状態を常に確認できるようになります。専用車に頼らないことで、これまでよりも検査頻度が劇的に向上し、安全性をさらに高められるのです。
すなわち、「専用のお医者さん」がたまに回診に来る体制から、常に行ったり来たりしている定期列車が「毎日の健康状態」を自らモニタリングする仕組みへと進化する、といえるでしょう。
ドクターイエローというスター車両が見られなくなるのは寂しいことですが、その“安全を守る役割”は営業車での検測へと広がり、より確実な形で未来へ引き継がれていきます。

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