フランスとドイツ、スペインの「FCAS(将来戦闘航空システム)」計画で開発される新たな有人戦闘機はフランスとドイツの主張が折り合わず、こう着が報じられています。そんな中、FCASに隠れて目立たないものの、もう一つの新型機開発からフランスが抜けようとしています。
【写真】えっ…これが「肥満体」と言われた「怪機」圧巻のサイズです
そして、前者については日本にとっては “海外の話”として片付けられそうですが、後者は、そうもいかないかもしれません。
フランスの脱退が取りざたされているのは、ドイツとスペイン、そしてイタリアも参加する、「ユーロドローン」という偵察攻撃用の大型無人機です。中高度で長時間飛び続けて偵察や情報収集をし、時に攻撃も行う「MALE(Medium Altitude Long Endurance:中高度長時間滞空型)」と呼ばれるクラスに属するプロペラ機です。
MALE用の無人機は、2025年現在、戦場で欠かせなくなっている軍事装備になりつつあります。
このクラスの機体はアメリカのMQ-9やトルコのバイラクタル、イスラエルのヘロンが知られていますが、2015年にフランスとドイツ、イタリアの間でも計画が始まり、スペインも加わったのが「ユーロドローン」です。この計画は、新型コロナ(COVID-19)の世界的な感染拡大による遅れを踏まえても、設計審査に10年を要し、当初2024年に予定されていた初飛行は現在2027年へずれ込んでいるとのことです。
しかし、一部では、ここへきてフランスが撤退を考えていると報じられています。
主な原因は、敵のレーダーに映りにくいステルス性能が低く対空兵器に脆弱なことや、市街地上空の飛行を考慮したドイツの要求によりエンジンを2基備え、機体が大型化してしまったためということです。フランスは機体が重く肥満に苦しんでいると批判したとされてもいます。
確かに「ユーロドローン」の機体サイズは横幅が約30mとMQ-9の1.5倍、最大離陸重量もMQ-9の2倍以上となる約11tで、筆者も実物大模型を実際に見ましたが、太い胴体がサイズを一層大きく見せ、「肥満体」と感じざるをえないと感じました。少なくとも筆者の感覚ではMQ-9やバイラクタルなどとは一線を画すスタイルで、いささか異形じみた印象を持ちました。
一方、FCASの新戦闘機を巡るフランスとドイツのこう着状態はここ数か月、日本でも注目されていますが、筆者は「ユーロドローン」の行く末も日本に影響してくる可能性があると考えています。というのも日本は2023年、「ユーロドローン」開発のオブザーバーになっているからです。
ヨーロッパの政府間組織「防衛装備協力機構(OCCAR)」の公式サイトによれば、2025年9月には同じオブザーバーのインドとともに日本も参加したワークショップが開催されています。
日本は現在のところ、MALEクラスのドローンについて開発構想を持つ企業はあるものの、具体的に国内開発が進んでいるわけではありません。MQ-9Bの採用は決めていますが、「ユーロドローン」が実用化された際に日本がどのように扱うかも未知数です。しかし、「市街地上空の飛行を考慮したエンジン数」は、これまで航空自衛隊が新しい戦闘機を導入する際に「エンジン2基か単発のどちらを選ぶべきか」と議論になってきたのと同じケースです。
MALEのような偵察攻撃用ドローンは今も将来も航空戦闘システムとして欠かせません。それだけに「ユーロドローン」で起きたエンジン数と機体のサイズの関係が将来、日本で無人機を開発する際に繰り返され計画が遅れないか、筆者は気がかりです。

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