トイレ詰まりに続き火災が発生

 2026年3月12日、アメリカ海軍が中東方面に展開しているジェラルド・R・フォード級航空母艦「ジェラルド・R・フォード」(以下:フォード)」で火災が発生したことが、アメリカ中央軍により発表されました。

【画像】就役まであとわずか!? これが、フォード級航空母艦の2番艦です

 公式発表によると、火災は艦内の主洗濯区画で発生し、「原因は戦闘によるものではなく、すでに鎮火している。

推進装置に損傷はなく、空母は完全な作戦能力を維持している。現在、2人の水兵が命に別状のない負傷で治療を受けており、容体は安定している」と説明しています。

 同艦は現在、サウジアラビアのアルワジュ沖で活動しているとみられていますが、今回の火災に加え、航海中にはトイレの詰まりなどの問題も報じられていました。

「フォード」には約4500人の乗組員の生活を支えるため、およそ650基のトイレが設置されています。しかし報道によると、汚物を吸引する真空式汚水回収・移送システム(VCHT)で配管の詰まりが頻発し、最大で45分程度の待ち時間が発生したケースもあったとされています。

トラブル頻発には作戦期間の長さも影響?

 この問題について、同艦の艦長であるデイビッド・スカロージ大佐は「これほど大規模な艦で、これほど多くの乗員がいれば詰まりは発生する。重要なのは、どれだけ迅速に解決できるかだ。整備チームは即座に対応しており、システムは設計どおり機能している」と述べています。また海軍作戦部も、詰まり事案は訓練を受けたダメージコントロール要員や機関要員によって迅速に対処されていると説明しています。

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ジェラルド・R・フォード級航空母艦「ジェラルド・R・フォード」(画像:アメリカ海軍)

 一方で、詰まりの原因の一部には不適切な物品の投棄があったことも明らかになっています。米国内の報道では、Tシャツやロープ、モップヘッドなどが流されていたとされています。

 トラブルが相次ぐ背景として、長期任務による運用負担の影響も指摘されています。

フォードは2025年6月に欧州・地中海方面での活動を開始して以降、長期間にわたり任務に従事しています。さらに2026年1月にはカリブ海に展開し、その後中東へ移動、3月にはイランとの緊張を背景とした作戦行動にも参加しており、戦闘行動を含め約8か月にわたりほぼ継続的に稼働している状況です。

 3月19日、同艦は修理により一時クレタ島へ離脱しましたが、空母打撃群は解散にならず維持されており、復帰するものと思われます。

 同艦の展開期間の長さは既に260日を超えており、5月頃まで展開が続きますと、場合によってはベトナム戦争に展開していた複数の空母の就役期間を超えます。なお、ベトナム戦争中に最も長く展開していた空母は「ミッドウェイ」で、332日間といわれています。

 こうした長期かつ過酷な運用は、艦の設備への負荷だけでなく、乗組員の肉体的・精神的負担も増大させ、複合的な要因としてトラブル頻発につながっている可能性があります。この点については、アメリカ国内でも問題視する報道が見られます。

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