飛行機と鉄道はお互いに交通機関のライバルですが、国内外問わず、空港のアクセス手段として鉄道が重要な役割を担っています。都市中心部から空港までを独立した線路で結ぶ路線もあれば、市民の足である地下鉄や通勤通学路線がそのまま空港へ乗り入れるケースもあります。
成田空港(正式名称は「成田国際空港」)周辺の鉄道を空から俯瞰してみましょう。JR東日本の成田線は成田駅から空港支線が分岐し、特急「成田エクスプレス」などが走ります。京成電鉄本線は京成成田駅を出ると、途中で東成田線が分岐します。さらに北総鉄道北総線の線路を延伸する形で2010(平成22)年に京成成田空港線(成田スカイアクセス線)が開業。「スカイライナー」が160km/h運転をしています。
少々複雑なのは、JR成田線空港支線と京成成田スカイアクセス線が途中で合流し、同じ高架橋を異なる会社の空港アクセス特急が走ることです。
京成本線は、地上で東成田線と分岐すると、今度はその先の地下区間で成田スカイアクセス線と合流して成田空港駅へ向かいます。これに対し東成田線は、地下の東成田駅から芝山鉄道に変わり再び地上へ現れ、貨物航空機の格納庫付近にある芝山千代田駅で終点となっています。
かつては成田新幹線の計画もあり、空港反対運動も絡む鉄道アクセスの歴史は複雑になりますが、ここでは空港周辺の鉄道を空から紹介するたる割愛いたします。
東成田駅は、1978(昭和53)年から1991(平成3)年まで成田空港駅を名乗っていました。空港ターミナルから離れた位置にありますが、これは将来、ターミナル直下に成田新幹線の駅を設置する計画があったためです。
異なる軌間の線路が高架橋で並ぶ空港の空撮は、事前に関係各所への申請と、当日の上空が安全と管制から認められた場合にのみ実施できます。
芝山千代田駅は日本貨物輸送の駐機場と整備場付近にあります。芝山鉄道線は空港建設の地元への補償として建設され、当駅は計画段階で整備場前という仮称でした。駅は高架構造で、線路がプツっと途切れています。当初は九十九里浜方面への延伸構想もありました。芝山鉄道線は約2.2kmと、旅客営業鉄道ではケーブルカーを除いて日本一短い鉄道であり、芝山鉄道もアピールしています。
「成田エクスプレス」は成田駅から支線を走って、高架橋へ合流します。高架橋はプツッと途中で途切れた不思議な形状をしており、いかにも未成線があった雰囲気。これが成田新幹線計画で建設された高架橋です。元々、東京駅と成田空港を結ぶ空港アクセス新幹線の計画でしたが、現在はJR「成田エクスプレス」と京成「スカイライナー」がその任を担っています。
新幹線のために準備した高架橋も、この両特急が走る路線となりました。興味深いのは、レールの間隔である軌間がJRは1067mm、京成は1435mmのため、一見して複線なのに実際は異なる軌間の線路が単線並列となっていることです。
成田空港発着の飛行機窓からだと、これらの空撮写真のようなカットは角度などが異なるため難しいですが、16R(A滑走路を北から南へ)の離陸の場合は左席に座っていると、離陸直後に日本貨物輸送のハンガー越しに芝山千代田駅がチラッと見えるかもしれません。
また、成田空港に着陸する際、16Rの方向であれば右席にチラッと成田新幹線の遺構が見えるかもしれませんが、ちょっと距離はあります。
成田空港を利用する際は、時間に余裕があれば日本一短い鉄道の芝山鉄道線に乗車してみるのも楽しいかもしれませんね。

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