明石海峡大橋に加えコロナ禍が追い打ち

 南海電気鉄道は2026年3月30日、子会社の南海フェリーが運営する和歌山~徳島間(61km)のフェリー事業から撤退すると発表しました。撤退時期は2028年3月末を目途としています。

【画像】南海フェリーで就航中 「フェリーあい」の船内設備を写真で

 南海フェリーは、1975(昭和50)年に設立。以来、50年にわたり和歌山県徳島県を結ぶ重要な交通手段として運航を続けてきました。

 しかし、その経営環境は年々厳しさを増していました。1998(平成10)年の明石海峡大橋開業により、本州と四国を結ぶ交通の主役が陸路へ移行。さらに、人口減少や少子高齢化も重なり、利用者は減少の一途をたどります。そこに追い打ちをかけたのが、2020年度以降の新型コロナウイルスの感染拡大です。これにより収入は大幅に落ち込み、2021年度からは債務超過の状態が続いていたと、南海電気鉄道は説明します。

 そのような厳しい経営状況の中、現在運航中の「フェリーかつらぎ」が就航から26年を迎え、老朽化による船体更新の時期を迎えていました。しかし、財務状況の悪化から更新は困難と判断。残る「フェリーあい」1隻での運航継続も検討されましたが、効率的な運営は不可能との結論に至り、事業からの撤退が決定されたといいます。

 なお、南海電気鉄道は、船舶・設備の老朽化や従業員の確保といった問題で安全運航に支障が生じる恐れがある場合には、撤退時期が前倒しになる可能性もあるとしています。

編集部おすすめ