JALが、中高生向けにイベント「空育 空の仕事を知ろう!」を開催。現役のパイロットやCA、グランドスタッフ、整備士が、その仕事のやりがいや難しさを、現場目線で語りました。
JAL(日本航空)が2018年8月20日(月)、本社(東京都品川区)内の「ウイングホール」でイベント「空育 空の仕事を知ろう!」を開催。「将来、飛行機の世界や航空会社で働きたいという皆さまの夢を、少しでも実現に近づけるためのお手伝い」として実施されているもので、今回は約150名の中高生が参加しました。
左からJALパイロットの池田さん、整備士の徳永さん、グランドスタッフの小椋さん、CAの杉山さん(2018年8月20日、恵 知仁撮影)。
イベントは、現役のパイロット、キャビンアテンダント、整備士、グランドスタッフが、参加者からの質問に直接答えるというもの。そのやりがいなどについて、以下のような「現場の声」が聞かれています。
キャビンアテンダント(成田客室乗員部 杉山彩乃さん)CAになるために、体力作りや、英語の勉強をしていました。文系理系は関係ありません。体育大学出身だったり、元薬剤師だったりする人も。健康であれば65歳まで働け、親世代のCAもいます。
この仕事は午前2時30分に起きることも少なくないですし、仕事の12時間前から、お酒は飲めません。国際線は時差があり、機内のカートは200kgあるため、体力は必要です。
国際線の長いフライトでは、機内にある部屋で休憩します。
時差ボケ対策は、現地に着いたらそこの時間に合わせて寝るなどし、できるだけ朝日を浴びるようにしています。

CAの杉山彩乃さん。

整備士の徳永大輔さん。

約150名の中高生男女が参加した。
整備士(羽田航空機整備センター 徳永大輔さん)
現場で持ち物をなくすと大変です。余分なものは持ちませんし、休憩前後は持ち物チェックをしています。
作業のときも、小さなビスなどが落ちてしまわないよう、付近にある隙間をふさいでから仕事をするなどしています。小指の上にのっかる程度のサイズのナットやワッシャーも。もし見つからなかったら、エンジン交換が必要になる場合もあります。
整備士も、どうしても英語がつきまとう仕事。その力も必要です。
パイロット、グランドスタッフの面白さとはパイロット(787乗員部 副操縦士 池田 剛さん)自社養成のパイロットとして入社しました。パイロットになるために、文系理系は関係ありません。女性も現在、訓練生を含めて5名います。
フライト中、気象状況などで何か課題が発生したとき、機長、CA、地上が連携して対応し、お客さまが何事もなかったように降りていく――。そうしたときはやりがいを感じますね。空港や気象の条件などが毎回違うため、飛行機の操縦そのものも面白いです。
飛行機をスポット(客の乗降などが行われる場所)に駐機させるときも、気を使います。2ノット(約4km/h)ぐらいでゆっくり進み、(停止のショックが小さくなるよう)ブレーキを何度も踏んで、じわーっと停めます。
時差ボケ対策は人それぞれですが、ジムに行ってから寝る、という人もいます。

パイロットの池田 剛さん。

グランドスタッフの小椋麻里さん。

グループ形式で質問が行われた。
グランドスタッフ(羽田事業所空港オペレーション第2部 小椋麻里さん)
小さいお子さまからお年寄りまで、毎日いろいろな方とお話しできて楽しいです。ただ、グランドスタッフと話さなくても、飛行機に乗れる時代。CAと違い、お客さまと話す時間も短いです。そうしたなか、JALにはすてきな人がいるんだと思っていただけるよう、仲のいい友だち、家族と話しているような笑顔で、近づきすぎないよう気をつけつつ、仕事をしています。
この仕事をしていて、飛行機が飛び立つ瞬間は、いつも「いい!」と思います。グランドスタッフやパイロットだけではなく、みんなの力を結集させて、飛行機は飛び立ちます。
この仕事は体力が必要です。肉体が疲れます。「制服がかわいい」だけでは難しいと思います。
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ちなみに、今回の参加者およそ150名のうち、6割が女子、4割が男子でした。

エアバスA350-1000型機の機内にある乗務員休憩用の部屋。セキュリティを考え、外から分からないようになっている(2018年2月、恵 知仁撮影)。