西日本ジェイアールバスが特別仕様の貸切バス「花嫁のれん 第二章」を導入。夜行バス車両「グランドリーム」をベースとし、加賀友禅のデザインなどで装飾しています。
西日本ジェイアールバスは2019年3月26日(火)、特別仕様の貸切バス「花嫁のれん 第二章」の披露式を石川県金沢市内で行いました。
特別仕様の貸切バス「花嫁のれん 第二章」(2019年3月26日、草町義和撮影)。
夜行高速バスで使われているハイグレードバス「グランドリーム」がベース。外装は加賀友禅の作家、毎田健治さんが描き下ろした絵で装飾され、「石川の華やかな四季」を表現したといいます。ナンバーは能登半島の石川県七尾(ななお)市にちなんだ「770」でした。
車内に入ると、カーテンやシートも加賀友禅風のデザインが施され、トイレのドアも金箔をイメージした色で装飾されていました。天井は、金沢市内にある加賀藩前田家の奥方御殿「成巽閣(せいそんかく)」の「群青の間」をモチーフに、濃い青色で塗られています。
「花嫁のれん」は、婚礼の際に色鮮やかな「のれん」を嫁ぐ娘に持たせる風習のこと。幕末から明治にかけ、北陸で見られるようになりました。2015年10月、金沢駅と能登半島の和倉温泉駅(石川県七尾市)を結ぶJR西日本の観光特急「花嫁のれん」がデビュー。輪島塗や加賀友禅など北陸の伝統工芸のイメージでデザインされています。
披露式の終了後、試乗として、和倉温泉まで「第二章」で移動しました。金沢の市街地をしばらく走ったのち、能登半島を北上。車窓には日本海の濃い青色の海面が広がっていました。

カーテンなども加賀友禅風のデザインで装飾された。

トイレのドアは金箔風。

天井の濃い青は加賀藩前田家「成巽閣(せいそんかく)」の「群青の間」がモチーフ。
同乗した西日本ジェイアールバスの野中雅志社長は「列車はレールの外に飛び出せないので、以前から『花嫁のれんのバスはないのか』といった要望をいただいておりました。(石川の観光資源を)世界に発信できるのではないかと考え、思い切って導入しました」と話しました。
運用開始は2019年4月の予定。西日本ジェイアールバスはバスの機動性や直行性を生かし、石川を拠点に列車の「花嫁のれん」が走っていない福井や富山などでも運転するとしています。