JALが導入するエアバスA350-900型機の初号機が、フランスのトゥールーズから羽田空港に到着。JALのエアバス機導入は初めてなど、「初物づくし」といいます。
JAL(日本航空)が導入したエアバスA350-900型機の初号機(機番:JA01XJ)が、2019年6月14日(金)の午前7時56分、羽田空港に到着しました。エアバスの最終組み立て工場があるフランスのトゥールーズから、およそ12時間のフライトです。
このA350-900型機導入にあたり、JALは初号機から3号機まで特別塗装を実施。このたび到着した初号機は「『挑戦』のレッド」で、2号機は「『革新』のシルバー」、3号機は「『エコ』のグリーン」です。機体後部にその色で「AIRBUS A350」と大きく書かれます。
羽田空港に着陸したエアバスA350-900型機のJAL初号機(2019年6月14日、伊藤真悟撮影)。
A350-900型機はエアバス、A350 XWBシリーズのひとつで、全長66.8m、全幅64.75m。JALの現有機では、ボーイング777-300シリーズに次ぐ長さの機体です。このたび到着したJALの初号機は国内線仕様になり、ファースト、クラスJ、エコノミーの3クラス計369席を設置。またJALは、A350 XWBシリーズのA350-1000型機も導入を予定しています。
JALは過去にエアバスA300-600R型機を運航していましたが、これは経営統合したときにJAS(日本エアシステム)から引き継いだもの。

A350-900型機の到着後、羽田のJAL格納庫でセレモニーが開催された。

JAL植木会長(中央右)と赤坂社長(中央左)が持つ紙の「ログブック」が電子化される。

同じTシャツを着てA350-900型機を歓迎。
またJALはこのA350 XWBシリーズから、フライトや整備の記録を残す「ログブック」を紙から電子化するとのこと。日本で初めての試みで、A350 XWBシリーズ導入はJALにとって「初物づくし」といいます。
ボーイング機と異なるエアバス機の操縦エアバスの飛行機は、コックピットの座席横にある「サイドスティック」で操縦するのが特徴。JALグループでは、ボーイング(アメリカ)や、エンブラエル(ブラジル)、ボンバルディア(カナダ)、サーブ(スウェーデン)、ATR(フランス、イタリア)の飛行機を運航していますが、いずれもクルマのハンドルのような「コントロールホイール」タイプです。

コクピットの窓の黒縁が特徴。

初号機は「『挑戦』のレッド」の特別塗装がされている(2019年6月14日、伊藤真悟撮影)。

JAL初導入のロールスロイス製エンジン。
JALの「サイドスティック」初導入となる、このたび羽田へ到着したA350-900型機。トゥールーズからのフライトを担当した宮下 篤機長は操縦感覚の違いについて、「ずっとボーイングの飛行機を飛ばしてきましたが、A350型機はパイロットの要求に機敏に反応してくれます。繊細な操作は『サイドスティック』のほうがしやすいです」と話します。ディスプレイ類も欲しい情報がすぐに出てきて、「未来の飛行機」という印象を受けたそうです。
また仲本大介機長は、エンジンについて「とても静か」と感じたとのこと(このフライトは機長2人制)。ちなみに今回、A350-900型機のJAL初号機は、サトウキビが原料の「バイオジェット燃料」で日本にやって来ました。
トゥールーズからは初号機とともに、JALの植木義晴会長も羽田へ到着。あえて今回のフライトまで、実機も客室の内部も見ないようにして楽しみにしていたそうで、搭乗した感想として「A350の導入は間違いではありませんでした」と話しました。詳細は明らかにされませんでしたが、客室中央上部にある荷物棚(ハットラック)に新しい工夫がしてあるといいます。
JALのA350-900型機は、9月1日(日)の羽田発福岡行きJL317便でデビュー予定。その後、国内幹線の羽田~新千歳、那覇線などへ順次投入される計画です。