JALの成田~釜山線が就航40周年を迎えました。この路線は、開設時は「空の貴婦人」ダグラスDC-8-62型機、現在はボーイング737-800型機で運航されていますが、この2機種、時間をさかのぼると実は無関係ではありませんでした。

週3往復が、40年後は週14往復に成長

 JAL(日本航空)の成田~釜山(韓国)線が2019年7月2日(火)、就航40周年を迎えました。

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成田から釜山に向かったJL957便のB737-800型機(2019年7月2日、乗りものニュース編集部撮影)。

 この路線が開設されたのは、成田空港開港の翌年にあたる1979(昭和54)年7月2日。当時の主力機のひとつであるダグラス(現在はボーイングと統合)製の4発エンジン単通路機、DC-8-62型機で、週3往復からスタートしました。

 DC-8-62型機をはじめとするDC-8シリーズは、1960(昭和35)年8月にJAL初のジェット機として導入された機種としても知られており、そのスリムな胴体の形からか、「空の貴婦人」という愛称が付けられました。

 JALは現在、成田~釜山線を週14往復運航(このほかにコードシェア便あり)。機種はボーイング737-800型機で、エコノミークラスとビジネスクラスの計144席が設定されています。JAL国際線仕様の機材ではサイズ、席数ともに最も小型で、「ずんぐりむっくり」とした太めのボディが特徴です。

JAL成田~釜山線が40周年! 飛行機は「空の貴婦人」DC-8から「ライバルの跡継」B737へ

路線開設当初に使われていたダグラスDC-8-62型機。
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ボーイング737-800型機のドーサルフィン(背中のヒレ)。
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ボーイング737-800型機の前脚(ノーズギア)部分。

 ボーイング737シリーズは、初飛行が1967(昭和42)年と長い歴史を持っています。

時代が下るにつれて改良が加えられているものの、「ドーサルフィン」(背中のヒレ)や短い前脚(ノーズギア)など、特徴的なルックスをはじめ、基本設計はその多くが引き継がれています。

「ボーイング737」の過去を探ると…

 50年以上のロングセラーであるボーイング737シリーズですが、歴史を遡ると、胴体部分はそれまでのボーイング機の設計を流用して開発されています。その胴体の「元祖」にあたるのが、ボーイング707シリーズです。

「ボーイング707」シリーズの就航は、1958(昭和33)年。「DC-8」シリーズの就航は翌年の1959(昭和34)年。JALをはじめ、日本の航空会社ではボーイング707シリーズの採用はなかったものの、世界的にはジェット旅客機黎明期において、この2機はライバルの関係でした。

JAL成田~釜山線が40周年! 飛行機は「空の貴婦人」DC-8から「ライバルの跡継」B737へ

JAL主力機種のひとつだったボーイング727シリーズ。写真は模型。
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成田空港での、JL957便見送りセレモニーの様子。
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ハンドタオルなどの記念品が配られた。

 かつてDC-8シリーズが結んでいた成田~釜山線は現在、ライバルだったボーイング707のDNAを持つボーイング737-800型機が「鶴丸」を掲げて飛んでいます。

 この日、成田空港で開催された就航40周年記念セレモニーへ出席したJALの大貫哲也常務執行役員は「最も短く、身近な国際線のひとつです。

成田・釜山を直行便で結んでいるのはJALが日本で唯一のキャリアなので、重要性を感じながらこれからもこの路線を成長させていきたいです」と話しました。

 セレモニー後、釜山行きJL957便の搭乗者には、搭乗証明書、ボールペン、ハンドタオルなどの記念品が配られ、JALスタッフが見送るなか、午前10時47分ごろ、釜山に向け出発しました。

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