JALがカリッタ航空と共同で、定期貨物便の運航を成田~シカゴ線で開始しました。かつてJALは貨物便を飛ばしていましたが、2010年に休止。

今回の9年ぶり復活は、その最後のフライトと同じ機種、ボーイング747-400F型機でした。

初便のジャンボにはJALの「鶴丸」も!

 JAL(日本航空)が2019年8月1日(木)より、成田~シカゴ線でカリッタ航空(アメリカ)と定期貨物便のコードシェア(共同運航)を開始。この初便が到着した8月2日(金)、成田空港でセレモニーを行いました。

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成田空港へ到着したJALとカリッタ航空のコードシェア初便(2019年8月2日、乗りものニュース編集部撮影)。

 JALの貨物便は、1959(昭和34)年の羽田~サンフランシスコ線から約50年にわたり運航され、ピーク時の2007(平成19)年には26都市、32路線に就航していました。しかし経営破綻の影響で、2010(平成22)年の10月末をもって貨物便を休止。成田空港で行われたラストフライトの機材は、「ジャンボ」と呼ばれるボーイング747-400F型機です。

 貨物便の休止以来、JALは旅客便の貨物室や、特定需要に応じて貨物専用機をチャーターする「エアラインチャーター制度」を使って、その輸送に対応してきたといいます。

9年ぶりJALの名でB747「ジャンボ貨物機」飛ぶ 機体に「鶴丸」 カリッタ航空と共同運航

スポットに向かうボーイング747-400F。
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胴体は真っ白に見えるが……。
9年ぶりJALの名でB747「ジャンボ貨物機」飛ぶ 機体に「鶴丸」 カリッタ航空と共同運航

胴体側面には「鶴丸」が描かれていた。

 今回、カリッタ航空との共同運航という形ですが、JAL運航の定期貨物便は約9年ぶりの復活になります。

週3往復で、スケジュールは成田発が木、土、日曜、シカゴ発が水、木、土曜。いずれも給油のため、アンカレッジを経由します。

 カリッタ航空は、2000(平成12)年に設立された貨物専用機運航会社。2019年8月現在、貨物専用機を33機保有しています。JALとの共同運航で使われる機種は、2010年のJAL貨物便ラストフライトと同じ型、ボーイング747-400F型機です。

JALに貨物便復活の経緯

 このたび初便として成田へ飛来したボーイング747-400F型機には、初便就航記念ということもあり、左前部のドア付近にJALのトレードマーク「鶴丸」も描かれていました。初便はクルマの本体やパーツ、化粧品などを満載し、19時18分に成田へ到着しています。

 JALの岩越宏雄貨物郵便本部長は、「経営破綻で貨物便から撤退した2010年、私は上海空港で働いていました。上海は週12便の貨物便がある、JALにとって海外最大の貨物拠点でした。そのなかで撤退したことで、多くのお客様にご迷惑をおかけしたことを、いまでも覚えています」と話します。

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「ジャンボ」の貨物機は機首が開閉するのが特徴。
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JALの岩越宏雄貨物郵便本部長。

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成田空港で行われたセレモニーの様子。

 また、定期貨物便を再び運航する経緯について「撤退後は、旅客便のネットワークを生かして質にこだわった輸送サービスを提供してまいりましたが、『スペース』の供給面でも、より利便性の高いサービスの提供を検討していました。そのなかで物流の大動脈である太平洋路線で、カリッタ航空からコードシェアの話がでてきました」といいます。

 このコードシェア貨物便には、JALの貨物が多めに積まれるそうです。

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