東急電鉄所属の全車両に、ソフトバンクの4Gデータ通信に対応したLED蛍光灯一体型防犯カメラ「IoTube」が順次導入されます。遠隔地からでも映像をほぼリアルタイムで確認することが可能といいます。
東急電鉄とソフトバンクは2019年11月6日(水)、車内のセキュリティ向上を目的として、2020年7月までに東急電鉄所属の全車両に、4Gデータ通信対応のLED蛍光灯一体型防犯カメラを順次導入すると発表しました。
東急大井町線試験導入時の様子(画像:東急電鉄)。
採用するのは、MOYAIが開発し、ソフトバンクが販売と通信サービスの提供を行う防犯カメラ「IoTube(アイ・オー・チューブ)」です。4Gデータ通信によってカメラ映像を送信し、記録映像を遠隔で確認できます。東急電鉄によると、鉄道車両への4Gデータ通信機能を備えたLED蛍光灯一体型の防犯カメラ導入は、鉄道業界で初めてといいます。
従来の車内防犯カメラは、記録映像を確認するにはカメラから記録媒体を抜き取り、事務所の専用パソコンで確認する必要がありましたが、「IoTube」は遠隔地からでも映像をほぼリアルタイムに確認することが可能です。「IoTube」を全車両に導入することで、車内トラブル発生時に迅速に対応できるような仕組みを整えるとしています。
東急電鉄とソフトバンクは2019年5月末から6月末まで大井町線の一部車両で、9月からは田園都市線の一部車両で「IoTube」を試験導入しました。その結果、IoTube本体の強度やカメラの撮影角度、データ通信のための電波強度などを確認できたことから、正式に導入を決定しました。
導入する車両は、東急電鉄に所属する全183編成1257両です(2020年7月予定、こどもの国線を除く)。設置は1車両あたり4台ですが、池上線と東急多摩川線は1車両あたり3台、世田谷線は1車両あたり2台を基本とします。また、既に防犯カメラを設置している田園都市線と大井町線は1車両あたり2台、池上線と東急多摩川線は1車両あたり1台を設置します。
防犯カメラを設置していることが利用者に分かるよう、そのことを周知するステッカーが車内に貼られます。また、東急電鉄は記録映像について、閲覧できる社員を限定するなど、関係法令や社内規定に則り厳重に管理するとしています。