2019年11月10日に実施された、天皇陛下の即位にともなうパレード「祝賀御列の儀」では、外国製のオープンカーが車列にいましたが、これは警視庁のパトカーだといいます。警視庁所有のオープンカーでパトカー、どのようなクルマでしょう。
2019年11月10日(日)、皇居から赤坂御所までの約4.6kmの区間にて、天皇陛下の即位記念パレード「祝賀御列の儀」が行われました。天皇、皇后両陛下が乗る特別仕様のオープンカーの前後には、警衛のオープンカーも見られ、実はこれらは警視庁の、れっきとしたパトカーです。
国道246号を進む「祝賀御列の儀」の車列。白バイ隊の前後を挟む形でキャデラック「STS」が確認できる(画像:首相官邸)。
このオープンカー仕様警衛車には、ゼネラルモーターズ(アメリカ)製のキャデラックも見られました。天皇、皇后両陛下が乗るオープンカーの前後に白バイを挟む形で走り、少し離れた後方にもキャデラックの古いタイプが1台続く形をとっていました。
これらは「キャデラック」のオープンカーといってもパトカーのため、赤色灯やサイレンアンプ、スピーカーを装備して緊急車両として登録されています。そのため、万一の際は緊急走行が可能です。
今回のパレードに加わっていたのは、新しい方がキャデラック「STS」、古いものがキャデラックの「フリートウッド」というタイプで、警視庁は各種式典や皇族の護衛用として、これらを含めてオープンカーのパトカーを7台以上保有しています。
30年以上現役のオープンカーパトカーも健在29年前に実施された平成の即位パレードにおいても、国産であるオープンカー仕様「セドリック」「クラウン」の警衛車に交じり、キャデラック「エルドラド」が車列に加わっていました。
警衛車として「祝賀御列の儀」の車列に入っていたキャデラックSTSオープンカー(2019年1月、柘植優介撮影)。
さすがにキャデラック「エルドラド」は退役したようですが、「セドリック」のオープンカーは現役で、今年(2019年)初めの「警視庁年頭部隊出動訓練」でも使用されています。
パトカーとはいえ、儀礼用のため年間走行距離が少ないことから、このようにとても長生きです。そのため35年ほど前に導入されたビュイック「リビエラ」のオープンカーも警視庁においていまだ現役で、今回の即位記念パレードでも、前述のキャデラックSTSとともに皇居前を元気に走っていました。
30年以上現役であり続けて、天皇陛下の即位記念パレードを2回も経験するパトカーなんて、そうそういないでしょう。それを稼働状態で維持し続ける現場の警察官の苦労は、並大抵のものではないのでしょうね。

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