JALが、上空から「初日の出」と「初富士」をセットで楽しめる「初日の出フライト」を実施。羽田発着便に搭乗取材したところ、「聖火トーチ」や「4種類のCA」など、普段のフライトではあり得ない「特別」なことが多数ありました。
JAL(日本航空)が2020年1月1日(水)、機内から「初日の出」と「初富士」を拝む、元号が「令和」になって最初の「初日の出フライト」を実施。その羽田空港発着便を取材したところ、そうした「初」をはじめ、通常のフライトでは体験できない、さまざまな「特別」がありました。
JAL「初日の出フライト」機内から拝んだ「初日の出」と「初富士」(2020年1月1日、恵 知仁撮影)。
搭乗受付開始の午前4時すぎ、普段の喧噪がうそのような羽田空港の空気も、ちょっと特別な感じがあるなか、JALのカウンターでは法被を着た関係者のほか、晴れ着姿の「ミス日本グランプリ」の度會亜衣子さん、「ミス日本『水の天使』」の谷 桃子さんがお出迎え。記念撮影に応じていました。

「ミス日本グランプリ」の度會亜衣子さん、「ミス日本『水の天使』」の谷 桃子さん(2020年1月1日、恵 知仁撮影)。
保安検査を受けて出発ゲートに行くと、2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」で実際に使われるという聖火トーチが置かれており、それを手に取っての記念撮影ができました。

「東京オリンピック・パラリンピック」で実際に使われるという聖火トーチ(2020年1月1日、恵 知仁撮影)。
出発ゲートではセレモニーが行われ、JALの赤坂祐二社長があいさつ。赤坂社長も「ミス日本」たちと一緒に、記念撮影に応じていました。出発前セレモニーがあるフライトはまれですし、社長に会えるのもレアかもしれません。

JAL「初日の出フライト」出発ゲートの案内(2020年1月1日、恵 知仁撮影)。
そして、出発ゲートの案内モニターに表示された便名とその行先は、「JL2011 特別便 東京」。東京(羽田)発東京(羽田)行きの特別便です。便名は「2020年1月1日」にちなんでいます(オペレーション便名はJL4911便)。
JAL「初日の出フライト」CAの制服も特別だった 合計4種類JALの2020年「初日の出フライト」、CAも「特別」でした。現在の10代目のほか、水色の4代目、ミニスカートの5代目、ダブルスーツの7代目の制服を着用したCAも乗務。サービスにあたりました。ちなみに乗務するCAは、全員「ねずみ年」にしたそうです。

JAL「初日の出フライト」に乗務した、4代目(右)と5代目(左)の制服を着用したCA(2020年1月1日、恵 知仁撮影)。
6時02分にD滑走路から離陸してベルトサインが消えると、「ミス日本」の2人による搭乗証明書の配布がスタート。なかには機長と副操縦士のコメントと、このフライトのおおよそのルートなどが書かれていました。

搭乗証明書を配布する「ミス日本『水の天使』」の谷 桃子さん(2020年1月1日、恵 知仁撮影)。
「令和最初の初日の出を、誰よりも高いところから、いち早くご覧いただける特別なフライトです」
「富士山の西北西38kmの高度5800mから、富士山越しに初日の出を迎える予定です。
こんな機内アナウンスが操縦室から聞こえてくるのも、また「特別」な感じです。
JAL「初日の出フライト」 乗客も普段と違ったその「富士山の西北西38kmの高度5800m」付近へJL2011便は、初日の出が顔を出す前に到着。周辺を旋回して、そのときを待ちます。

「初日の出待ち」のJL2011便機内から見えた南アルプス(2020年1月1日、恵 知仁撮影)。
ここは南アルプスの上空付近。旋回中に見えた、朝の柔らかい光につつまれた雪化粧の山々も、美しいものでした。
この日、上空から見た限り、関東方面の地平線は雲に覆われていましたが、高度5800mでは関係ありません。雲海から、富士山が頭を出しています。

富士山の向こうに顔を出した「初日の出」(2020年1月1日、恵 知仁撮影)。
そしていよいよ6時45分ごろ、ひときわ強い光が目に差し込んできました。「初日の出」です。カメラのオートフォーカスが幻惑されて、ピンボケ状態になります。
JL2011便は、富士山の西北西を旋回。左右両側の窓へ「初日の出」を映していきます。

席を離れ、左右に現れる「初日の出」と「初富士」を堪能する乗客たち(2020年1月1日、恵 知仁撮影)。
使用機材は、普通席の座席配置が2-3-2のボーイング767-300ER型機(国内線仕様)。窓が遠い乗客も多いため、みな席を立って、日射しが差し込む側へ集まっていきます。これほど多くの人が席を立ち、移動する光景も、通常のフライトではまず見ません。
発売当日に完売のJAL「初日の出フライト」 そのお値段は?無事に「初日の出」と「初富士」を堪能したのち、羽田へ戻る機内ではドリンクのサービスが始まりました。

JL2011便に搭乗した「ミライトワ」(2020年1月1日、恵 知仁撮影)。
機内には「東京2020オリンピックマスコット」の「ミライトワ」も搭乗。聖火トーチとあわせ、「オリンピックイヤー」の幕開け、その実感もわいてくるフライトでした。機内サービスのカップも、「東京2020」デザインのものが使われています。
ちなみに飛行ルートは、羽田空港のD滑走路を6時ごろに離陸し、西へ飛んで富士山の西北西で旋回、初日の出を拝んだのち栃木県日光市上空付近まで行き、南に針路をとって羽田空港のA滑走路へ8時前に着陸、というものです。

JL2011便の飛行ルート(画像:flightradar24)。
また今回の参加者には、「お土産」もありました。「搭乗証明書」「オリジナル今治タオル」「おせち風弁当」「升酒(子どもはジュース)」「ペットボトルのお茶」「紅白饅頭」「オリジナルトートバッグ」「折り紙和鶴」「ジャルパック社員作成感謝カード」「ピンバッジ」で、ファーストクラス利用者には「シャンパンミニボトル」も加わります。

JL2011便の「お土産」(2020年1月1日、恵 知仁撮影)。
「初日の出」や「初富士」のほか、こうした「特別」が詰まったJALの「初日の出フライト」、人気は例年高く、窓側席は羽田発、成田発とも発売30分で売り切れ、当日中に完売したとのこと(この便の有償旅客数は214。メディアやJAL関係者を含め合計246名が搭乗)。
ちなみにそのお値段は、普通席の窓側2席で9万2000円(2名分)、中央席1席では3万円(1名分)、ファーストクラスの窓側から2席では15万円(2名分)です。