飛行機に乗る方法は空港ビルからの搭乗橋利用、またはタラップ搭乗が一般的ですが、羽田空港にはそれ以外の方法があります。14年ぶりに復活した「ボーディングステーション」がそのひとつです。
飛行機に搭乗する際は、ターミナル内から搭乗橋(ボーディングブリッジ)を経由するか、バスや徒歩などで飛行機の近くまで行きタラップ車(階段付きの車両)などを用いることが一般的です。ところが羽田空港の第2ターミナルでは、2018(平成)年ごろから、それらとは異なった乗り方が見られます。
奥に見える建物が羽田空港第2ターミナルの「ボーディングステーション」(2020年1月、乗りものニュース編集部撮影)。
ひとつ目は同ターミナル北側の貨物地区に現れる別棟「サテライト」です。対象便の利用者は、専用ゲートからバスで「サテライト」へ行き、そこから搭乗橋を経て飛行機に乗り込みます。館内はターミナル本館の待合室のようなつくりで、化粧室やショップなども備わっています。
そしてふたつ目は、ターミナルから離れたオープンスポット(駐機場)の一部にある「ボーディングステーション」です。ターミナルの搭乗橋部分が切り取られたような設備で、2020年1月現在、3基が設置されています。ここを使う対象便の利用者は、バスから降りこの施設を経由して、飛行機に乗ります。
実は、羽田空港の「ボーディングステーション」は1997(平成9)年から2004(平成16)年ごろまでの約7年間、6基が設置されていました。ところが現在の第2ターミナル開館にともなって、一度は廃止となっています。
――なぜボーディングステーションなどの施設が、羽田空港の第2ターミナルで設置されたのでしょうか?
羽田空港では首都圏空港機能強化の一環として、これまで国内線のみの対応だった第2ターミナルの一部で、国際線対応を2020年3月から始めます。このことで従来、国内線として利用していたスポットの一部を国際線スポットとして利用することとなり、その代わりにボーディングステーションを整備いたしました。サテライトを作ったのも同じ理由です。
――過去の「ボーディングステーション」と比べて、現在のものはどういった改修がされているのでしょうか?
現在のボーディングステーションは、バリアフリー対策が講じられています。たとえば、搭乗橋に通路内の段差をなくしたステップレスのものを導入するなどです。
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このほかボーディングステーションでは、地上から飛行機の高さまでの移動に階段だけではなく、エスカレーターやエレベーターも供されています。エアコンも備わり、入口が自動ドアなので、室温も比較的快適なものに保たれているそうです。
羽田空港のもうひとつのユニーク設備「サテライト」(2020年1月、乗りものニュース編集部撮影)。
2020年1月現在、「サテライト」「ボーディングステーション」の両施設ともに、増設については未定とのことです。
日本空港ビルデングは両施設のポイントについて「サテライトは、ラウンジのような環境を演出し、ご搭乗前の旅客の皆さまにゆっくりとおくつろぎいただける広々とした空間です。