飛行機の座席といえば、全席が機首方向に向き、普通席の仕切りは特に設けられていないものが一般的です。ところが新型コロナ感染拡大が続く世界事情をうけ、それを覆すような「ビックリ座席」が開発されています。

「後ろ向き座席」はANAなどにあるものの…

 飛行機の座席、とりわけ普通席やエコノミークラスといえば全席機首側に同じ方向を向いており、仕切りなどは設けられていないのが一般的です。

 進行方向の逆、尾翼側を向く「後ろ向き」のシートは上位クラスでも少なく、たとえばANAが足元の広さを確保するため、一部に後ろ向きの席が配されたビジネスクラスを2019年から一部機材で導入していますが、これは世界的にみてもまだ普及しているレイアウトではないようです。座席間の仕切りも、上位クラスでは多く導入されているものの、日本の航空会社の普通席やエコノミークラスではまず見ない仕様でしょう。

 ところが、快適性とは全く異なる理由で、この観念を覆すような座席が発表されました。

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イタリア「アビオインテリア」が開発した新シート「ヤヌスシート」(画像:Aviointeriors)。

 イタリアのシートメーカー「アビオインテリア(Aviointeriors)」が現地時間2020年4月20日(月)、新たな製品を2種類発表しました。

 ひとつ目の「ヤヌスシート」は、横3列のうち端の2席は一般的なシートと同様、機首側を向いているものの、中央列1列のみが後ろ向きという、ユニークなレイアウトをとっているもので、そのあいだには、透明の仕切りが設けられています。

 もうひとつの「グラスセーフ」は、座席自体はすべて機首方向を向いた一般的なシートレイアウトをとっているものの、シートの上半分、乗客の胸から頭を胸から頭部分の高さに仕切りを設けるというものです。

 ただ先述のとおり、これらの製品の開発理由はANAの例で挙げたような、乗客の快適性のためではありません。

過去にも「ビックリ座席」開発歴のある会社 それぞれの開発意図

 2020年4月現在、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、乗客同士の距離の近さが懸念されています。航空会社によっては2020年4月現在、3人掛けシートの中央列を開けるといった配慮も見られます。

 アビオインテリアによると、後ろ向き座席がレイアウトされる「ヤヌスシート」は、隣同士に座っている乗客のあいだの距離を、確実に取れるようにするための措置といいます。

 そして、経済的理由などで「ヤヌスシート」を搭載することが難しい航空会社向けに、現在使っているシートにセッティングする仕切りをあわせて開発、これが「グラスセーフ」だそうです。もちろんこれらは、乗員乗客同士の新型コロナウイルスへの感染を防ぐためのものとしています。

新型コロナで再燃か 飛行機の「ビックリ座席」最新事情 普通席でも後ろ向き 仕切りあり

イタリア「アビオインテリア」が開発した「グラスセーフ」(画像:Aviointeriors)。

 ちなみに、アビオインテリアが発表した「ビックリ座席」はこれだけではありません。同社は、2018(平成30)年に「スカイライダー2.0(Skyrider2.0)」を、その翌年、改良版にあたる「スカイライダー3.0(Skyrider3.0)」を相次いで発表しています。これらは腰掛ける部分はあるものの、ほぼ立っている状態となる、いってしまえば「立ち席」となるシートです。

「スカイライダー」は、おもにLCC(格安航空会社)に向けたもので、座席の前後間隔を狭めることにより、1回のフライトにより多くの旅客を乗せることを目指すもので、最大で20%、座席を多くできるとしています。また、シート自体の重量も一般的な普通席の半分と、軽量化が計られているとのことです。

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