2020年7月デビューの新型新幹線「N700S」。座席まわりでは全席コンセントが大きな特徴ですが、実際に乗ってみたところ、普通車、グリーン車とも、気の利いた形にいろいろと進化していました。
東海道・山陽新幹線で17年ぶりとなるフルモデルチェンジ車両「N700S」。見た目こそ従来のN700系(N700A)と似ていますが、実際に乗ってみて、より気の利いた形に進化したという印象を受けました。
座席まわりについては、カーテンを下げても飲み物を置きやすくなった窓のテーブルほか、多目的フックが座席の背面に用意されたのも、気の利いた進化でしょう。小袋や傘などをかけておけます。
全席に用意されるコンセントは、普通車もグリーン車も肘掛けにあります。前席の背面にコンセントがあると、たとえばそれでスマホを充電している人の前を通って通路に出たいとき、少々手間を要しますが、肘掛けであれば容易です。
車外から見た新型新幹線「N700S」普通車(2020年6月13日、恵 知仁撮影)。
座席そのものも進化しています。普通車、グリーン車とも、背もたれと連動して座面が沈むようになりました。特にグリーン車は深く沈み込むほか、リクライニングした際に回転の中心となる部分が臀部付近からくるぶしになり、倒した角度によらず常に疲れにくい姿勢で心地よく座れるといいます。
実際にN700SとN700Aの普通車で座り比べてみたのですが、特に大きくリクライニングしたときのフィット感が、N700Sは良かったです。
新型新幹線「N700S」の座席まわりでは、このほか以下のような進化も見られます。
・グリーン車の読書灯について、照射範囲が70%拡大。
・グリーン車の肘掛けに収納されているテーブルのサイズが20%拡大。
・グリーン車のフットレストが25%大型化。
・グリーン車における着座した際の足元空間が15%拡大。
・グリーン車の座席にある網袋のサイズが拡大。
・普通車の座席にあるリクライニングレバーが大型化され、操作しやすく。
・11号車(普通車)の車いすスペースが1台から2台分に増加。
また、揺れを打ち消す方向の動きを与え、乗り心地を向上させる「フルアクティブ制振制御装置」も一部の車両へ新たに搭載されました(両先頭車とグリーン車、パンタグラフがある5号車と12号車)。それ以外の車両も「セミアクティブ制振制御装置」を搭載し、乗り心地の向上が図られています。

大型化した新型新幹線「N700S」グリーン車のフットレスト(2020年6月13日、恵 知仁撮影)。
2020年6月、デビュー前のN700Sグリーン車へ実際に乗ることができましたが、その印象は、走行中の車内を普通車から移動していっただけに、違いがよく分かったのですけども、明らかに静かで、揺れが小さかったです。