新型コロナの影響をうけ、国内航空会社はさまざまな衛生対策を講じています。ジェットスター機の場合どういった対策をしているのかを取材。
航空業界は新型コロナウイルスで大きな打撃を受けましたが、国際線よりひと足早く国内線が活況を取り戻しつつあるといえるでしょう。2020年7月18日時点で、国内航空各社の国内線の多くでは夏休みやお盆期間にかけ、当初の運航計画にかなり近い便数にまで復便が予定されています。
ジェットスター・ジャパンのA320型機(2020年7月18日、乗りものニュース編集部撮影)。
もちろん運航時は、より一層の衛生対策が講じられています。LCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパンの場合、どう変わったのでしょうか。7月17日(金)、実際に乗り、取材しました。
同社が拠点とする成田空港第3ターミナルは現在、衛生対策が講じられています。当日はスタッフが荷物を運搬するカートを消毒するシーンも見られたほか、チェックインカウンターにはビニールカーテンが。保安検査場で検温を受け、搭乗ゲートへ向かうと、アナウンスで利用者同士の距離が詰まりすぎないよう呼びかけられます。
なおジェットスターでは、スマートフォンでできるオンラインチェックインに対応。これを活用すれば不要な接触を避けられることはもちろん、預け荷物がなければ保安検査場に直行でき、時間の節約もできます。
国内の航空会社で行われている新型コロナ対策は、たとえば「食事メニューやドリンクを制限する」「マスクの着用の徹底を要請する」「感染病棟以上の換気能力を持つ飛行機の客室空気の高さをアナウンスし、利用者の安心感向上に努める」など機内での対応に共通点が多く見られます。
これらはジェットスターでも共通である一方で、初めて飛行機に乗る人でもわかりやすいよう、明確に乗り方をレクチャーしてもらえるのが最大の特徴でしょう。

2020年7月17日のジェットスター機の機内(2020年7月17日、乗りものニュース編集部撮影)。
新型コロナをきっかけに衛生対策が刷新されたジェットスター機の場合、機内アナウンスに大きな特徴があります。
ほかの航空会社の場合、マスク着用の要請や、機内サービスがいつも通りに提供できないことのお詫びといった内容が標準的な一方で、ジェットスターは、乗客が機内でどのような行動をとればいいのか具体的なアナウンスがされます。
たとえば「化粧室使用後は便器のふたを必ず閉め、手洗いを要請」「手荷物は極力利用者自身で収納するように」「不必要に機内移動、および大声での会話をしないように」などがこれにあたります。
CAもマメに衛生対策 機内サービスの様子は?また、CA(客室乗務員)側の衛生管理のマメさもポイントです。CAは機内サービス提供の傍ら、一回の巡回ごとに乗客が化粧室を使用していないかチェック。使用している場合、アルコールなどを用いて消毒するといいます。つまり場合によっては、1人使うごとに消毒するといったこともしばしばだそうです。

化粧室を消毒するジェットスターのCA(2020年7月17日、乗りものニュース編集部撮影)。
なお、乗員はマスクを着用するほか、ゴム製の手袋をはめています。
LCCであるジェットスターの場合、機内サービスは有料オプションになっており、これらは食事類の一部に制限があるものの、ソフトドリンク類、アルコールやお菓子などは購入可能です。機内販売も通常通り。なお、ドリンク提供の際はプラスチックのコップを用いますが、提供する際、お盆を使うことで接触を防止するなど気を払っているそうです。
一日1便が運航されている成田発、下地島(沖縄県宮古島市)行きの場合、7月17日の搭乗人数は130人ほどだったとのこと。レジャー路線ではあるものの、成田を午前7時半ごろ出発する早朝便ということもあり、寝ている利用者が多く静かな状況でした。