新型コロナの影響で航空会社は機内や空港の衛生対策向上に注力しています。多くの航空会社で共通した取り組みが見られる一方、ソラシドエアでは独自の対策を実施中。

同社が注目したのは荷物です。その背景を聞きました。

多くの航空会社では「人」中心に衛生対策向上

 新型コロナウイルス感染症の影響で、航空会社各社は機内や空港の衛生対策向上に一層注力しています。たとえば、機内が約3分で換気されていることを発信する、機内のドリンクサービスの内容を変更する、空港に足跡や線でマーキングをすることで乗客間が一定の距離を保てるようにすることなどが挙げられます。

新型コロナ禍 ソラシドエアが「独自の衛生対策」を乗客以外にも...の画像はこちら >>

ソラシドエアの飛行機(2019年、伊藤真悟撮影)。

 これらの取り組みは、国内航空会社ではおおむね共通していますが、一方でその会社独自の取り組みもあります。宮崎を拠点とするソラシドエアは、乗客ととともに目的地まで向かう「荷物」についての衛生対策向上に取り組んでいます。

 ソラシドエアは搭乗時に利用者の荷物同士、もしくは他の利用者の手足が荷物に触れることを避けるべく、機内持ち込みの荷物を梱包する「手荷物おまとめ袋」を配布しているほか、カウンターで預ける受託手荷物にも配慮。羽田空港では、到着後ターンテーブルで受託手荷物を返却するとき、荷物同士の間隔を1m以上あけるなどの取り組みをしています。

 これらのサービスは、どのように生まれたのでしょうか。

「荷物」に注目独自サービス どう生まれた?

 ソラシドエアの広報担当者によると、社内で「withコロナサービス検討会議」を立ち上げ、利用者からの声や係員の気付きを集約。同社独自の「新しいスタイル」のサービスを常に検討していると話します。

これらの取り組みも、先述の会議から生まれた一環なのだそうです。

新型コロナ禍 ソラシドエアが「独自の衛生対策」を乗客以外にも実施中 その理由と背景

チェックインカウンターを清掃するソラシドエアのスタッフ(画像:ソラシドエア)。

 また、ソラシドエアは羽田空港と九州を結ぶ路線が多く、観光路線としての需要が比較的高いそう。このことから、多くの利用者が手荷物を預ける傾向もあり、そこから「受託手荷物のソーシャルディスタンス確保」の案が生まれたといいます。

「受託手荷物の返却場では、お客様が流れて来るご自身のお荷物を見つけられると、ターンテーブルのお荷物に向かってお進みになります。荷物同士の間隔が狭いと、そこでお客様の密集が発生してしまいます。これを避けるため、一定の間隔をあけ返却できる仕組みを作りました」(ソラシドエア 広報担当)

 また「手荷物おまとめ袋」は、先述したとおり接触防止の目的で始まったものですが、荷物の汚損を防ぐほか、お土産などの小物をまとめることで収納、取り出しがスムーズにできることから、荷物の取り忘れも減るという効果もあるそうです。

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