日本有数のリゾート地のひとつ宮古島には、宮古空港以外にも第2の空の玄関口、下地島空港があります。ここはかつて訓練用の飛行場でしたが、現在変化し、日本の空港では見られないものが多いユニークな空港になっていました。
沖縄県の宮古島といえば、日本有数のリゾート地のひとつです。ここの空の玄関口といえば、一般的には宮古空港が挙げられますが、近年では必ずしもそうとは言えなくなってきています。
宮古空港から西北西に約16km。クルマだとおよそ25分で行ける下地島に下地島空港があります。ここはかつてパイロットの訓練などに用いられていましたが、2019年3月に新しく旅客用のターミナルがオープン。これと同時にLCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパンが下地島~成田、関西線を就航して、以来「宮古諸島の第2の空の玄関口」の地位を確立しつつあります。
この下地島空港のコンセプトは「空港から、リゾート、はじまる」とのこと。実際に訪れたところ、これまでの空港とは異なる設備が目白押しでした。
下地島空港のエントランス部分(2020年7月、乗りものニュース編集部撮影)。
下地島空港のターミナルは、一般的な日本の空港では室内にあるものが屋外にある、といったレイアウトが多いのが特徴といえるでしょう。
たとえば到着後、ほかの空港であれば搭乗橋、もしくはバスや徒歩で空港の屋内に入り、預け手荷物の受取場に向かいます。対し下地島空港は降機後の到着動線が受取場以外、ほとんど外にあるのです。
そこまで向かうまでの道沿いは、庭園の中庭のようなイメージで植物が植えられています。出発の際にも屋内の搭乗待合室からゲートを通って外に出ますが、そこもまるで庭のよう。そこからタラップ車で機内に乗り込む形です。
下地島空港最大の目玉は「搭乗待合室」にアリそして下地島空港の最大の目玉は、出発時保安検査場を抜けたところにある「ラウンジ」でしょう。
搭乗待合室全体が、空港ラウンジや航空会社ラウンジに近しいつくりとなっています。出発の時間までをここで過ごすことができ、LCCに乗ったのに「上級会員」の気分を味わえるスポットとも言えるでしょう。バーカウンターやフードコート、お土産屋なども別途料金を払うことで利用できます。

下地島空港のラウンジの外にある水盤(2020年7月、乗りものニュース編集部撮影)。
そして通常の空港ラウンジなどであれば、屋内だけでほぼ完結しているのが一般的であるのに対し、下地島空港のラウンジは屋外スペースをフルに生かしているのが特徴です。駐機場側の屋外スペースは、展望デッキのようにガラス越しで飛行機を見られるほか、チェックインカウンター側に大きな水盤も設置。シーサーの像も置かれており、写真撮影や沖縄らしい景観を楽しめます。
なお、チェックインカウンターがある共用エリアは搭乗待合室と比べると設備自体はごくシンプルなものの、ここもの日本の空港では珍しいものが見られます。
下地島空港の共用エリアは、高温多湿地域としては異例の木目調であることが特徴です。原材料となる木材は、県の定める地域材が使用されており、「地産地消」にも意識しているそう。そしてこれらを、空港ターミナルとしては全国初という木質系材料「CLT(クロス ラミネーテッド ティンバー)」として加工することで、強度を高めているとのことです。