ドラマ『半沢直樹』の帝国航空編では、供用開始からわずか13日で一時閉鎖となった羽田空港の「休眠」エリアが撮影に使われました。初めてテレビドラマロケに使われたこのエリアはどのような施設で当日の様子はどうだったのでしょうか。
TBS系列のテレビドラマ『半沢直樹』で新章となる帝国航空編が2020年8月16日(日)から始まりました。航空会社の再建がテーマとなっていることから、撮影にも実際の空港施設が多く使われています。
建設中の羽田空港第2ターミナル国際線エリア(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。
そのなかで使われた施設のひとつが羽田空港です。実は、日本最多の利用者数を誇る同空港のなかにも、言ってしまえば「休眠状態」のエリアが存在します。『半沢直樹』の撮影は、そこで実施されたものでした。
ANA(全日空)などが乗り入れる同空港の第2ターミナル南側には、国際線エリアが存在します。第2ターミナルは当初、国内線専用の施設として運用されていましたが、2020年3月から羽田空港の国際線が大幅に増えることを受け、一部エリアを拡張。3月29日に供用を開始し、ANA(全日空)の一部国際線が発着するようになりました。
ところがそこを襲ったのが新型コロナウイルス感染拡大による航空需要の大幅な減少です。この影響で4月11日から当面、国際線エリアが閉鎖されることになります。オープンはわずか13日間でした。
羽田空港第2ターミナルの国際線エリアは、最新設備が出揃っているのが特徴です。待ち時間を削減するため、出発フロアには自動チェックイン機、自動手荷物預け機が備わるほか、保安検査エリアには4人で同時利用できる最先端のスマートレーンを10台導入。また搭乗待合室にはフードコートがあり、11店舗が入店します。国内最大級の席数を持つANAラウンジも、このエリアに備わります。
また、出発ロビーのロケーションも、同空港のほかのエリアと一線を画しているといえるでしょう。天井は最大18m、駐機場側の壁が全面ガラス張りで、全天候型の展望デッキのようなつくりが特徴です。

2020年4月の羽田空港第2ターミナルの様子。閉じられたシャッターの奥が国際線エリア(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。
羽田空港のターミナルビルを運営する日本空港ビルデングによると、今回の『半沢直樹』が、同エリアで初めて実施されたテレビドラマのロケとのこと。撮影は8月上旬に半日ほどかけて実施されたといいます。当日は、画面表示などを架空の航空会社に変えるなどの準備をしたそうです。
羽田空港第2ターミナルの国際線エリアの再開は未定ではあるものの、日本空港ビルデングはこのエリアについて「メンテナンスや清掃などを定期的に行うことで、いつでも使用再開ができるよう準備をしています」と話します。