新型コロナの流行は、社会生活をも一変させました。普通自動車の運転免許更新も、その影響を受けたひとつでしょう。

普段とは勝手の異なるなかで危うく失効しそうになってしまったお話のなかに、気を付けるべきポイントがうかがえます。

すぐには更新できないコロナ下の「運転免許更新」

 2020年4月15日、警視庁は新型コロナによる緊急事態宣言を受け、運転免許証の更新手続きについて当面のあいだ休止することを発表。これにモロに巻き込まれた筆者(喜多 雅:ライター/シナリオライター)は、危うく運転免許を失効する事態に直面しました。結論からいうと更新は間に合ったのですが、なぜそのようなことになったのか、以下はその言い訳の一部始終です。

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新型コロナ下の新宿免許更新センターには、従来とは異なる光景が(喜多 雅撮影)。

 最初に個人的なお話で恐縮なのですが、筆者の誕生日は5月6日です。恒例の免許更新を知らせるハガキが我が家に届いたのは、3月末だったでしょうか。ハガキには誕生日の前後1か月、計2か月のあいだに手続きをするようにと、いつも通りの内容が記されています。そのうちヒマを見つけて行こうと、このときは呑気に構えていました。

 誤算だったのは、4月7日に新型コロナ感染拡大を受け、政府の緊急事態宣言が発出されたことです。これにともない、上述のように警視庁は運転免許更新手続きの休止を同月15日に発表。それまでに1週間あまり、筆者には更新するチャンスがあったわけですが、みすみすそれを逃してしまったわけです。

 それでもこのときは、いずれ更新業務を再開するだろうと考えていたわけですが、ご存知のようにコロナ禍は一向に収束しませんでした。やがて誕生日を迎えたころには、少々焦りを覚え始めます。

「延長手続き」って…何?

 改めて調べてみたところ、更新手続き休止中は「運転免許証の有効期間の延長手続」をするよう、警視庁からアナウンスされていました。ゴールデンウィークが明けた5月某日、早速その「延長手続」なるものをするため、都庁第二本庁舎にある新宿運転免許更新センターへと足を運びます。

 更新業務休止中にもかかわらず、運転免許センターにはそこそこの混雑が見られました。通知ハガキを手に受付を訪ね免許証を差し出すとると、その裏に更新期間延長の旨を記すハンコが押され、延長された有効期間の日付が記入され即座に返却されます。ほんの数分のことでした。

 書き込まれた有効期間は9月8日とあります。本来の失効日が6月6日であるため、およそ3か月間の延長ということになります。そのころには新型コロナも落ち着いているだろうか、などと、また呑気に考えていました。

 やがて6月、警視庁から運転免許更新業務の再開がアナウンスされました。ただし、有効期間の延長手続をすでに行っている場合、延長後の有効期間が1か月未満であることが更新を受け付ける条件とのこと。

よって筆者の場合、8月9日以降でないと更新ができないというわけです。

 この、およそ2か月の待ち時間が、危うく免許失効という事態を招いたのでした。要するに、ド忘れしていたのです。

コロナ下の免許更新 気を付けるべきポイントは?

 ここでひとつ言い訳をするならば、運転免許の更新期間延長をした場合、その延長期限が迫っても、更新通知ハガキのようなお知らせは一切ないのです。よって、ついうっかり忘れてしまっても仕方が……いえ、完全に自業自得ですね。

 筆者がふと免許更新のことを思い出したのは、延長期間終了まで10日ばかりとなった8月末の週末ことでした。延長手続きの際に指定した場所でのみ更新手続きを受け付ける、との制約もあり、しかも新宿運転免許更新センターは平日のみ受け付け。決してド忘れしないよう、その週末は目に付くところに免許証を出したままにしておきました。

危うく免許失効の危機! 新型コロナ下の「運転免許更新」に潜む罠とは?

延長期間は期限が迫っても、お知らせが来ることはないので注意が必要。写真はイメージ(画像:123RF)。

 そうして迎えた8月31日(月)、受付開始時刻の午前8時半、筆者は都庁第二本庁舎にて、これまでこの場所では見たことのない長蛇の列を目にします。その最後尾では、係員による検温も実施されていました。

コロナ対策の徹底がうかがえます。

 40分ほど並び、視力検査や写真撮影など一連の手続きをし、最後に優良運転者講習を受ければ終了という段になったわけですが、その講習の開始時間はおよそ2時間後とのこと。これまで何度か経験した運転免許更新で、こんなに待たされるのは初めてです。

 とはいえ、いざ講習の時間になってみて、その理由がわかりました。コロナ対策の一環でしょう、講習室に用意された座席数が従来の半分程度なのです。なるほど、待たされるわけです。ちなみに午前11時過ぎの段階で案内されていた(つまり、午前11時過ぎに受講受け付けを済ませた場合の)優良運転者講習の開始時間は、午後3時過ぎでした。

 ともあれこのように、筆者の運転免許証は無事、更新することができました。延長手続きをしている場合は、その有効期間に注意しつつ、いざ更新手続きする場合も、その日は半日潰れる覚悟で臨んだほうがよいでしょう。

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