輪っかを2つ並べたようなボディの前後に車輪がつく、特徴的な電動バイクを日本に輸入するためのクラウドファンディングが行われています。折り畳めばボディの輪のなかに車輪が格納され、リュックにも収まります。
輪っかを2つ並べたようなボディ、その前後に車輪がつくという、特徴的な電動バイクを日本に輸入するためのクラウドファンディングが行われています。2020年9月3日(木)、東京都世田谷区の蔦屋(つたや)家電にて、その試乗会が行われました。
バイクの名は「smacircle(スマサークル)S1」。クラウドファンディングサービス「Kibidango(キビダンゴ)」にて、2300万円を目標額に資金調達が行われています。1台の価格は超早割(27%オフ価格)で13万5000円です。目標額に達成した暁には、出資者へ商品が届けられる仕組みです。
「スマサークルS1」。試作品のため日本向け完成版とは仕様が異なる(2020年9月3日、中島洋平撮影)。
特徴はなんといってもそのボディと、折りたたみが可能な構造です。前後のタイヤがボディの輪に格納され、さらにボディを折りたたむことで、専用のリュックに収まります。そのため、収納時にタイヤの汚れを気にする必要がないことも特徴だそう。また、シートを兼ねているバッテリーは取り外しできます。
この「スマサークルS1」は中国製で、アメリカのラスベガスで1月に開催された家電見本市「CES2020」で完成版が披露され、注目を集めたといいます。すでに中国や香港、オーストラリアといった国で発売されていますが、日本ではサイドミラーやウインカーランプなどの保安部品を取り付け、原付として登録しなければ公道を走れません。そのための改造版の製作費や、輸入にかかる費用として2300万円ほど集まれば、輸入を決定したいとキビダンゴは話します。
実際に乗ってみると、あまり経験したことのない乗り味でした。
物理的なブレーキなし モーターで走る・止まる「スマサークルS1」は、右手の親指でスロットルを下げて進む仕組みです。ただ始動の際には少し地面を足で蹴る必要があり、シートにまたがって乗るバイクではあるものの、電動キックボードのような動き出しでした。すぐにスピードが上がり、最高速度20km/hに到達します。
車輪は耐久性に優れたエアレスタイヤを採用しており、モーターは後輪に内蔵された、いわゆるインホイールモーター構造です。物理的なブレーキはなく、左手の親指でブレーキのスロットルを下げると、モーターに抵抗がかかり、すっと止まります。始動と停止時には少しフロントがぐらつきましたが、慣れの問題もあるでしょう。
なお、フル充電にかかる時間は3時間で、約20kmの走行が可能。

最高速度は20km/h(2020年9月3日、中島洋平撮影/小野木里奈〈シグマ・セブンフェイス所属〉)。
「『トロン』や『ブレードランナー』といった映画に出てくるような近未来的なニュアンスを持った乗りものです」とキビダンゴは話します。新型コロナの影響で、交通機関の利用がはばかられるなか、新しい交通手段としても注目したいプロダクトだそうです。クラウドファンディングは9月3日現在、およそ1537万円が集まっています。
ちなみに蔦屋家電では、このほかにも様々な新しい電動モビリティが展示・販売されています。
★★【動画】「スマサークルS1」乗ってみた/たたんでみた/担いでみた★★