2025年7月の「人手不足」関連倒産


 2025年7月の「人手不足」が一因の倒産は、7月では過去最多の41件(前年同月比24.2%増)だった。1-7月累計は213件(前年同期比18.9%増)に達し、年間で初めて300件を超す可能性も出ている。


 特に、「従業員退職」が前年同月の1.8倍と大幅増が目立つ。賃上げ、従業員の労働環境や福利厚生の改善が立ち遅れた企業は、人手不足が深刻さを増している。物価高や借入金利の上昇のなか、最低賃金の引き上げも求められており、収益改善が遅れた企業の生き残りはますます難しくなっている。

  「人手不足」関連倒産のうち、「求人難」の17件(前年同月比30.7%増)、「従業員退職」の11件(同83.3%増)が、7月で過去最多となった。「人件費高騰」は13件(同7.1%減)。
 資本金別は、5千万円以上はゼロで、すべて中小規模以下だった。

 人手不足は受注機会の損失を招き、業績拡大に足かせになる。ただ、人材確保のための無理な賃上げは資金繰りに直結するため、安定した収益確保の実現がカギになる。

※本調査は、2025年7月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「人手不足」関連倒産(求人難・従業員退職・人件費高騰)を抽出し、分析した。(注・後継者難は対象から除く)

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