釣りエサをエサ店で購入した時にはパックなどに入っている事も多いが、釣り場でさらに扱いやすくするには、そのエサに合ったエサ箱を使用するのがオススメだ。ここでは釣りジャンルやエサ別に適したエサ箱とその理由、使用術を紹介してみたい。

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)

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エサ箱使用のメリット

エサ店などで購入した際には冷凍エサならそのままパッケージで使用する事も多い。また生きたエサでも発泡やプラスチックパックの簡易な入れ物に入れてくれる事もあり、基本的にはそのまま現場へ持っていって使用しても問題ない事が多い。

しかし、冷凍エサの場合は解凍して使ったり、生きたエサの場合はその生きの良さを保持したり、エサ交換時に扱いやすくするなど釣りをできるだけ快適に行いたい。釣り具にはそんな釣りを快適にしてくれるアイテムは多いが、エサ箱もそんなアイテムの一つだ。

エサ箱の形状やスタイル、素材などが多彩なのは、それぞれのエサや釣りに合ったエサ箱として進化してきた証拠でもあり、もちろん、使い勝手や機能なども工夫されている。そんなエサ箱を使う事こそ釣りを快適にするための利点といえる。

木製エサ箱のメリット

エサ箱の素材は木製やプラスチックが主流だが、木製のエサ箱を使用する釣りとしては、投げ釣りでの虫エサ使用時や、落とし込み釣りでのイガイやカニなどを入れる場合などに多用される。虫エサなどの生きエサに木製のエサ箱をオススメする理由はいくつかある。

あると便利な釣行グッズ:エサ箱 釣りスタイルに合った様々な種類を紹介
実は多機能な木製エサ箱(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

水分量を一定にしてくれる

木製エサ箱の特徴の一つが、木材が持つ水分保持機能によって、水分の量が安定する事だろう。虫エサならエサ店で置かれている時は水槽の中だし、自分で採集するイガイなども基本的には波止の壁面で水中にある。エサ箱に移動した時に体内に持っていた水分が出てきて、べちゃべちゃになってしまう事がある。それが生きエサを弱らせる事だってあるのだ。そんな余分な水分を木が吸収してくれる。

逆に乾いてきた時にはあらかじめ木が吸った水分があるため完全には乾きにくい。つまり、余分な水分は吸ってくれて、足りない水分は補ってくれる。

温度の上下動を押さえる

プラスチック製のエサ箱の場合、外気温の上下動に影響を受けやすい。クーラーボックスと同じで、木材そものものが持つ保温、保冷機能が役に立つ。これから気温が上がってくる日中の釣りでは、虫エサなどを外に出しておくと、すぐに温度が上がり、虫エサが弱ってしまう。

その点、木製のエサ箱の場合は少々エサ箱を外に出していても大丈夫だし、タオルなどで日陰を作ってエサ箱を直射日光から避けるだけでOK。また、クーラーボックスに入れる際も、急激なエサ箱内の温度低下を防ぐ事ができる。生きエサはあくまでも生き物なので、急激な温度変化もよくないのである。

スノコを利用したエサ箱

冷凍エサを使用する際によく利用されるのが、底が2重になっていて、解凍時に出た水分がスノコで落とされる事でべちゃべちゃにならなくなっているものだ。水分に浸かってしまうと柔らかくなり、本来のさしエサの役目を果たさなくなってしまう事もある。

フカセ釣り用のエサ箱

フカセ釣りに使用するエサ箱として主流なのが、EVA素材の小さなフタ付きのエサ箱だろう。底にプラスチック製のスノコが取り付けられているのが特徴だ。これは、基本的に冷凍オキアミのさしエサを使用する分だけ入れておく。

オキアミから出る水分はスノコを通してエサ箱の底に落ち、オキアミは形の良さを保持できる。また、フタが付いているので直射日光を避け、乾きをある程度防止してくれる。

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フカセ釣り用のスノコ付きエサ箱(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

仕切り板の役目

このタイプで良くあるのが、仕切り板でエサ箱内が2つに仕切られているもの。これはフカセ釣りでオキアミを使用する時にも、生オキアミとボイルオキアミ、加工オキアミ、またはサイズの違うオキアミなど数種類を使い分けたり、練りエサや他のエサとの併用が多い時に、2種類のエサを1つのエサ箱に入れておく事ができる。

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使用例(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

ただし、乾燥や温度上昇を完全に押さえ込む事はできないので、ある程度の釣り時間を考慮して、少量ずつエサ箱に移して使う事をオススメする。

100円ショップのザル付きケース

100円ショップに行くと、食品用のケースが2重になっていて、ケースの内部にザル、スノコがセットになっているものが売られていて、その形も四角かったり丸かったり、大きさもかなり幅がある。

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100円ショップのケース(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

このタイプをよく利用するのがカワハギ釣りのアサリエサなど。アサリエサの場合は、アサリを塩で締めて保存する。現場で釣りの準備をする際に、海水で洗って塩を少し落としてから使用する事も多いので、底が深いザルが付いていれば、洗うのが楽ちんなのだ。

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ザルの役目は重要(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

漬け込み液使用時もOK

またさしエサを漬け込み液などに漬け込んでから使用する際にも、ザルにさしエサを入れて、ケースに漬け込み液を入れて漬け込んでおき、使用時にザルを上げて、漬け込み後の液を捨てればOKだ。

タッパーは切り身などに最適

近年、大阪湾の船タチウオ釣りでテンヤでのエサとして、欠かせなくなっているのがサンマなどの切り身エサだろう。タチウオは群れの釣りなので、時合いには手返しが必要だ。船上でいちいちサンマを捌いていては時間が到底たりない。そこで、自宅であらかじめ捌いておき、身を並べて塩で締めて保存しておくのに便利なのが100円ショップで売られているタッパーだ。

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タッパーを利用したエサケース(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

使用するタッパーの大きさの目安としては、自分が使っているクーラーボックスにぴったりと収まる大きさ。クーラー内部の大きさを測ってから購入すると良いだろう。

ワカサギ釣りに便利なエサ箱

ワカサギ釣りに使用する紅サシやサシ虫などは細かな木材の粉の中に入れられて販売されている事が多い。そんなサシ虫用のエサ箱もある。

形としては小物ケースを利用したようなもので、中にピッタリと合ったスノコ状の中ブタがセットになっている。

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ワカサギ釣り用のエサ箱(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

持ち運ぶ際にはケース本体の底にサシ虫を入れておき、使用時に中ブタへ全てを乗せておくと、木材の粉がスノコの下に落ちて、サシ虫だけが残り、取り出しやすくなるというスグレモノだ。

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エサの紅サシとおがくず(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

ワンタッチで開くタイプも

本体と金属製のフタが繋がって居らず、ワンタッチでフタが開くタイプの面白いエサ箱もある。金属製のフタが凸状になっていて、押さえると凹状になる事で、フタの周囲に付けられた押さえが開き簡単にフタが取れる。フタを閉める場合は開いた状態でフタを乗せ、周囲の留め具部分を押さえるとパチッと閉じて固定できる。

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ワンタッチで固定、解除ができる(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

温度管理や乾燥などが心配ない状況での釣りなら、コンパクトに持参できるので、使用範囲は広い。

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フタを押さえると固定解除(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

カエシが付いたエサ箱

一見普通のプラスチック製のエサ箱だが、よく見ると中ブタらしき物が付いているが、これが「枠」のような形をしている。実はこれはネズミ返しのような役目を果たす。中ブタを閉める事で、エサ箱にカエシができて、ミミズなどの這いだしてくるエサを止める事ができる。こちらもゴカイやミミズなどの虫エサによく利用される。

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中ブタがカエシになっているエサ箱(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

このエサ箱にもケース内に仕切りがあって2つの部屋となっている商品もある。筆者がよく使用するスタイルがゴカイなどを片方に、もう片方には石粉を入れてゴカイを数匹ずつ石粉の中に入れて使う方法だ。

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使用例(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

他にもエサ箱は進化していて、それぞれに工夫された物が登場し続けている。

釣り具ショップに出かけた際には「どんなメリット、工夫があるのだろう」という観点で、エサ箱をよく見てみると、新たな発見や勉強にも繋がるはず。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>

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