大阪湾の中でもアクセスがしやすい大阪・貝塚人工島でのサゴシ、サワラゲーム攻略法を解説。タックルやオススメルアーのほか、代表的なルアーアクションも紹介します。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・中野和哉)
LSJのサワラゲーム
ライトショアジギング(LSJ)において、ハマチやメジロに並んでメインターゲットなるのがサゴシ、サワラです。出世魚であるサワラは70cm未満をサゴシ、70cm以上をサワラと呼んでいますが、サワラ、サゴシを分ける明確な境目はないようです。

回遊性の高い魚のため、釣れる時期は地域によって異なってきます。昨年の貝塚エリアでは4月末から11月までの長い期間、サゴシ、サワラゲームを楽しむ事ができました。特に9月末からのハイシーズンは型も良く、数釣りも楽しめます。
サゴシやサワラはルアーに興味を示しやすく、群れで回遊し、表層の小型ベイトを積極的に捕食します。そのためライトショアジギングが初めての方でも、手軽に狙うことができるターゲットでしょう。今回は大阪湾の中でもアクセスがしやすい貝塚人工島でのサゴシ、サワラゲーム攻略法を解説していきます。
貝塚人工島の特徴
貝塚人工島は大阪府下にある釣り場の中でも潮当たりが良く、青物の回遊も多い1級のメジャーポイントです。また無料の駐車場もあり、多種多様の魚種が狙えるため、多くの釣り人で賑わっています。

地形と水深
ライトショアジギングのポイントとなるのは、沖向きの約2kmに及ぶテトラ帯です。地形は所々にシモリや海藻の繁みがありますが、基本は砂底でフラットになっています。手前より約70mは水深6~10mで、その先は少し浅くなっていて水深は約8mです。
青物回遊の傾向
4月末から、数は少ないもののハマチ、メジロと一緒にサゴシ、サワラの回遊が始まります。この時期はサイズも良く、サワラサイズも多く交じります。6月に入るとツバスの数釣りが始まり、同時にサゴシ、サワラの数が減っていきます。
例年お盆明けに向けて、サゴシ、サワラの釣果が徐々に減っていきます。しかしこの時期は、ツバスの数釣りだけではなく、ブリサイズの回遊もあり、ライトショアジギングを楽しむ事ができます。
9月から11月までは待望のハイシーズンです。サゴシ、サワラ以外にも、ハマチ、メジロ、ブリ、そしてタチウオの回遊も多くなります。また、数は圧倒的に少ないですが、ペンペン(1m未満のシイラ)やシオ(60cm未満のカンパチ)も回遊してきます。シーズン終盤になると魚の数は減っていきますが、どの魚種も大物の狙える時期になります。
タックル紹介
貝塚人工島サワラゲームのオススメタックルを紹介します。
ロッド
ライトショアジギングで使用するロッドは、8~10ftで20~40g程度のルアーが扱えるルアー用がオススメです。パワーはMクラスやMLクラスの硬すぎないものが良いでしょう。サワラサイズに対応するにはMHクラスが安心してやり取りができます。
リール
使用するリールはシマノでは4000番前後、ダイワでは3000番前後が目安です。パワーギア、ハイギアどちらでも問題はありませんが、ハイギアの方が高速でリトリーブができる分有利になります。しかし、体力に自信のない人はパワーギアを選んだ方が、ハンドルが軽く魚とのやり取りが楽になります。
ライン
リールに巻くラインはPE1~1.5号。150~200m巻き、初めのうちは目視しやすい単色カラーの方が扱いやすいです。
リーダー
リーダーはフロロカーボンラインの5~7号を使用します。サゴシ、サワラは歯が鋭くリーダーがボロボロになりやすいので、こまめなリーダーの確認と交換を心がけましょう。またサゴシ、サワラともに捕食が下手なため、5号以下のリーダーを使用すると、フォール中のバイトなどで、リーダーを切られやすいので注意してください。

使用するルアー
サゴシ、サワラを狙うルアーは、初めは20~40gのメタルジグや70~120mmのメタルバイブ、ミノーが良いでしょう。ルアーサイズはマッチ・ザ・ベイトがベストですが、小さなルアーを使用すると丸飲みされ、リーダーが切られるので注意してください。
大阪湾ではフラッシングが強いカラーや、オレンジ色への反応がいいです。
効果的なルアーアクション3選
サワラ、サゴシは後ろからルアーを追跡して捕食してくることが多いので、早めのただ巻きが基本となります。その上でルアーの一定の動きに対しての、不信感を取り除く事が大切になります。
またサワラ、サゴシは速い動きへの反応が良いため、素早いリーリングを心がけてください。どんなに速くリーリングしても魚が追いつけないことはないので、速い動きで見切られる前にバイトを誘発するのがいいでしょう。
1.ジャカジャカ巻き
メタルジグを使って高速でリールを巻きながら、ロッドを小刻みに動かしアクションさせる方法です。リーリングによりロッドに負荷がかかった状態で、ロッドを後ろに素早くジャークしてロッドを元に戻すイメージです。
ジャークでのロッドの振り幅は30~60cmを目安にしてください。リーリーング操作がメインで、ロッドアクションにより不規則な動きを定期的にプラスするイメージです。
2.表層での速巻き
ミノーを使用して着水直後から高速でリールを巻き、間にトゥイッチやストップを入れる方法です。この時のストップは一瞬で、すぐにリーリングを始めるのが効果的です。リーリング操作がメインで、ロッドアクションによりルアーのヒラウチや不規則な動きを、ストップで食わせの間を定期的にプラスするイメージです。
3.ストップ・アンド・ゴー
水面に出ず沈んでいる時や、タナがころころと変わる時、レンジが分からない時は、メタルバイブを使用し、着底させてから表層までのストップ・アンド・ゴーが効果的です。
普段のストップ・アンド・ゴーよりもリーリング時間(回数)を長くして、ほんの一瞬ストップさせるように心がけると効果的です。着底から一気に上層まで高速で巻き上げながら誘い出し、一瞬のストップで食わすイメージです。表層まで巻き上げたら全体を探るためにも、再び底まで落としてから巻上げを繰り返します。また表層でのストップ・アンド・ゴーも有効です。
基本の攻め方
日が昇ってからもサゴシ、サワラは釣れますが、やはり朝イチに釣果が集中します。朝イチはミノーの表層巻きや、メタルジグのジャカジャカ巻きで表層から攻めるのが良いでしょう。
反応がない時
反応が得られない時は、メタルジグを中層まで沈めてからのジャカジャカ巻きで巻き上げて、中層より上の層を探ります。上層、中層で反応が得られない時や、レンジが分からない時などは、メタルバイブで底からのストップ・アンド・ゴーが有効です。着水直後からの高速リーリング、レンジを下げての巻き上げ、底からのストップ・アンド・ゴーが基本となります。
小気味の良いピッチでのワンピッチジャークも有効ですが、フォール中にリーダーを切られる頻度が増えてしまいます。
オススメの食べ方
サワラの料理法としては、焼き魚や西京味噌を使った西京焼き、唐揚げなどが一般ですが、たたきときずしもオススメです。サワラの身は柔らかく痛みやすいため、生のサワラが食材として流通する事は少ないです。
また、締めた後にすぐ内臓を取り出さないと、アニサキスが居た場合には身に入り込んで危険です。そのため生のサワラを楽しむことができるのは、釣り人の特権でしょう。皮目を強火で炙っていただく、サワラ、サゴシのたたきは格別です。

きずしも皮目を強火で炙っていただくと、また違った美味しさがあります。サワラ、サゴシを釣り上げた時はぜひ一度試してください。

<中野和哉/TSURINEWS・WEBライター>
▼この釣り場について貝塚人工島