一般的には、波止から長竿を使って行われるクロダイ狙いの落とし込み釣り。今回はちょっと変わった、ボートからルアーロッドを使用した落とし込み釣りを解説します。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉浦永)
クロダイ落とし込み釣りの概要
基本的にクロダイの落とし込みは、オカッパリの堤防や岩壁などのストラクチャーを、極先調子でマイクロガイドが付いた3~6mの専用ロッドとギヤ比1:1の両軸または片軸の落とし込みリールを組み合わせて、道糸2号に目印をつけてハリス0.8~1.5号で狙うことが多いと思います。
ストラクチャーに付いたカラス貝やカニを捕食しているクロダイに対して、エサの貝やカニをストラクチャーに沿って落とし込んでいくことで、アタリを拾っていくというのが一般的な釣り方です。
クロダイは警戒心の強い魚ですが、落ちてくるものに反応しやすく、エサがストラクチャーから落ちてくる様子を演出する食性に合わせた釣りを展開します。
ボート落とし込み釣りタックル
ボートからの落とし込み釣りに使用するタックルを、私が使っているセッティングを例に挙げて紹介しましょう。
ロッド:6ft前後のシーバスロッド(シルバーシャドウ・SS-611MS)
リール:2500番前後のリール(RS-IDATEN 256)
ライン:PEライン0.8号(ラピノヴァ-X)
リーダー:12lb(シーガーグランドマックス)
ボート落とし込み釣りの仕掛けとしてはシンプルです。ハリはカン付きチヌ4号にガン玉5B~6B、エサはカラス貝を使用します。

「こんな強靭なタックルセッティングで、神経質で警戒心が非常に強いクロダイが釣れるの?」と思う方もいると思います。しかし、このタックルセッティングでも釣る方法があります。
ボート落とし込みの釣り方
ボート落とし込みの釣り方として、まずはオカッパリと同じような岸壁などのコンクリートストラクチャーの上げ潮や下げ潮、風向きなどを観察して、ボートを潮上にポジショニングします。
ストラクチャーに対してボートを5mほど離しながら、エサのカラス貝をストラクチャーに対してタイトに落とし込んでいきます。この際にストラクチャーから落ちてきたカラス貝を意識しながら、水面から水深3mほどまでをピッチングで何度も何度もアプローチしていきます。
落とし込んでいくと、スムーズに落ちていたラインの動きが止まったりして、瞬時にクロダイのアタリだと分かり、すかさずフッキングするという釣り方です。
陸っぱり落とし込みとの比較
陸っぱりとの最大の違いはキャスティングをするか否かということです。陸っぱりは長竿でストラクチャーに対してほぼ真上から垂直にエサを落とし込んでいきます。
しかし、ボートではストラクチャーに対して5mほど離してポジショニングするので、斜めにエサを落とし込んでいくことになります。そうすると、ラインの抵抗でエサが手前にきてしまい、ナチュラルフォールが演出できないので、釣れる可能性が低くなります。
潮上から流し込む
そのため、ボートではそれを解決するために、潮に乗せてエサを流しながら、ストラクチャーに当てて落としていかなければならないのです。キャスティングするだけでなく、水中でエサ(カラス貝)が流れていく方向までをイメージしながら釣りを展開していくことがボートクロダイ落とし込みの最大の楽しみ方であるといえます。

ボート落とし込みのメリット
ルアーロッドを使ってのキャスティングゲームなので、ロングキャストで警戒心の低いクロダイを狙えたり、ルアーロッドのコントロール性の良さで数が打てるというメリットがあります。また安心のタックルセッティングなので、ラインブレイクが少なく、魚や環境への優しさも兼ね備えた釣りです。
ボート落とし込みフィールド
クロダイはストラクチャー(岩壁や堤防)に付着するカラス貝を主食とし、その他にカニやエビ、フジツボなどを捕食しています。そのため、カラス貝がびっしりと着いた潮通しの良い釣り場を選ぶことが大切です。
他には、水面が穏やかなポイントよりも少し騒がしい(荒れている)ポイントの方がクロダイの警戒心が低いように感じます。
フィールド選びの注意点
「立ち入り禁止」の表示のある区域への侵入は控えましょう。係留中の国際航海船舶へは近寄らないようにしましょう。
他のボートが先行して流している潮下に対してボートをポジショニングするのは控えましょう。他のボートが先行している場合は、そのボートがポイントを流した後に自分のボートを流しましょう。
<杉浦永/TSURINEWS・WEBライター>