梅雨時期から本格化する釣りモノと言えば、テナガエビとマハゼ。今回は木曽川でのタックル選定、釣り方、オススメの釣りポイントを徹底解説しよう。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

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テナガエビ&ハゼ釣りの魅力

まずはテナガエビとハゼ釣りの魅力について解説しよう。

テナガエビのコツコツとサオ先に伝わる小気味よい抵抗感、マハゼのぶるぶるっとした感触や心地よい引き味は釣り人を魅了してやまない。これらは「江戸前の小物釣り」、「江戸前のハゼ釣り」と言われるほど、日本人にとって身近な釣りとして認知されている。その手軽さ、食味の良さからファミリーフィッシングの代表格でもある。

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テナガエビは最盛期&ハゼはこれからが本番(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

そして中部地方にもいくつものメジャーフィールドが存在する。その中でも魚影の濃さはもとより、水質や景観の良さから近年注目を集めているフィールドが木曽三川だ。今回はその中でも特に人気のある木曽川(立田大橋周辺)のポイント、攻略法を紹介したい。

2020年木曽川のテナガエビ状況

昨年秋から続く暖かさもあり、今年のテナガエビは例年よりも少し早い4月初旬から釣れだした。ただ初期は釣り場全体ではなく、水温の安定した部分でのスタートだった。そのためポイントのムラが大きかった。また稚エビの多さからハリ掛かりも悪く、その周りにいる良型を拾い歩く形の釣りとなった。

そのような状況下でも常連の釣り師は、13cm前後のテナガエビを10数匹釣り上げていた。そして現在では釣り場全体にテナガエビが広がり、18cmを筆頭に80匹以上を釣り上げる常連の釣り師も出てきた。

2020年木曽三川のマハゼ状況

木曽三川のマハゼは、ここ20年ほどで状況が一変。気候変動による海流の変化や水温上昇、汽水域の変化など、いろいろな要因が重なりマハゼの季節感やポイントが変化してきている。

簡単に説明すると、年によって変動はあるものの、シーズンは5月中旬から年内いっぱいとなった。この5月中旬から開幕する越冬組(良型マハゼ)は立田周辺の深みで越冬したもので、新子ハゼがわく前に釣れだす。それらは木曽川の砂底という地形上、毎年越冬ポイントが変わる。そのため、その年の開幕ポイントを探す必要がある。

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年によって開幕ポイントが変わる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

今年も例年通り、5月中旬から越冬組が立田上流で釣れだした。ポイントムラはあるものの、常連の釣り師は18cmを筆頭に40~70匹ほどを釣り上げている。7月ごろからは新子ハゼがわきだし、数釣りシーズンが開幕している可能性が高い。

木曽三川のテナガ&マハゼタックル

次に、木曽三川でのテナガエビとハゼのタックルを解説しよう。

木曽三川は川筋ということで、強い流れに対応した仕掛けが必要となる。もちろん木曽川、揖斐川ともに潮の動きが少なく、よどんだポイントもある。しかし、そういったポイントでも潮の巻き込みによる若干の流れはある。そのため木曽三川の仕掛けには、その流れに対応した独自の発展性がみられる。

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タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)

テナガエビのタックル

まずはテナガエビのタックルを紹介しよう。

ノベザオ(1.5~2.7m)、ミチイト1.5号、棒ウキ、中通しオモリ2号、エビバリ(2号または3号)。

サオの長さに関しては、ポイントを広く探る上で2.7mのものをチョイスしたい。短ザオが好きな人も先述の理由から、念のために長めのものもロッドケースに入れておきたい。

サオは2~3本は出す。どうしても向こうアワセの釣りのため、サオ1本だと時間を持て余してしまうからだ。また複数本サオを出すことで、ポイントを広く探ることもできる。ミチイトはあまり細いものを必要としない。それは障害物周りを釣るテナガエビ釣りにおいて、根ズレによるイト切れを防ぐためだ。

そしてこの仕掛けで特徴的なのは、2号のオモリを使用して仕掛けが流されるのを防ぐことだ。また中通しオモリを使用することで、オモリの重さはエビが引き込む際の妨げにならない。そして棒ウキを使用するのも、エビの引き込みに対する抵抗を減らすための工夫だ。

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便利グッズ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

他にはテナガエビを外すためのピンセットや先曲がりペンチ、エサを切るハサミがあると便利である。現場でテナガエビを生かすことや持ち帰ることを考えれば、網フタ付きのバケツや生きエビクーラー、エアーポンプなどがあると重宝する。

マハゼのタックル

次にマハゼのタックルを紹介しよう。

一般的な釣り場との違いはほとんどなく、ノベザオを使用したミャク釣りやウキ釣り、リールを使用したチョイ投げである。ただテナガエビ同様に川の流れに対応したオモリの重さが必要になる。そのいくつかを紹介しよう。

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エサはイシゴカイが万能(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ミャク釣り:ノベザオ2.7~5.4m、ミチイト1~1.5号、中通し丸玉オモリ1~2号、ハゼバリ5~8号。

ウキ釣り:ノベザオ2.7~5.4m、ミチイト1~1.5号、ウキ(玉、棒、シモリなど)、オモリ(ウキに合わせる)、ハゼバリ(5~8号)。

チョイ投げ:一般的なショートロッド1.8~2.7m、2000番クラスのリール、ミチイト2号、中通し片テンビン、ナスオモリ(5~15号)、市販の2本バリ仕掛け(ハリ5~8号)。

オモリの重さやハリの大きさは、季節やポイントによって変える。

テナガ&マハゼのポイント

次にテナガエビとマハゼのポイントについて解説しよう。

テナガエビのポイント

テナガエビは汽水域から淡水域にかけて分布し、護岸に隣接するテトラ周りや石組みなどの障害物周りがポイントとなる。よって愛西市や海津市周辺の木曽三川一帯が好ポイントとなる。

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立田大橋下流のテトラ帯(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

特に木曽川はテトラ帯やヨシ群、水門、沈所などが数多く点在し、テナガエビの好ポイントが多い。日中はテナガエビの夜行性を利用し、それらの物陰を狙う。

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ヨシ周りも好ポイント(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

マハゼのポイント

次に川筋のマハゼは汽水域を中心に分布し、砂底や底の起伏の変化を好む。それらのことから木曽川、特に立田大橋周辺から上流部が好ポイント。立田上流部は昔から手つかずのポイントも多く、砂浜やヨシが多く群生しており、代表的なポイントとしては沈所が挙げられる。

また立田大橋付近は車が横付けできるポイントが多く、ファミリーにとってもうれしい釣り場のひとつだ。

テナガ&マハゼの釣り方

次に、テナガエビとマハゼの基本的な釣り方について解説しよう。

テナガエビの釣り方

昼間のテナガエビは、夜行性の習性を利用しテトラの下や石周りなどの物陰を釣っていく。夜は明かりがない障害物周りならば、どこでも釣れる。

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日中は暗所を狙う(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

先に述べたが、木曽三川では流れを考慮しオモリを底着けにしてウキを水面近くに合わせる釣り方をする。ウキ下は潮位によって変えていく。テナガエビはエサを持ち込んでから、もしくは持ち込みながら捕食する。

一般的には前者の割合が高い。そのためウキが沈み込んでからエサを食わせる時間を与えることが、この釣りにおいて最も重要になってくる。

仕掛けを上げるタイミングはテナガエビの活性によってまちまちだが、およそ10~20秒ほど待ってからでいいだろう。ただエサ取りのマハゼやチチブなどもいるので、ウキが勢いよく引き込まれた場合はすぐに上げてほしい。

マハゼの釣り方

次にマハゼに関して。5~6月の沖からわく越冬組を狙う場合は、少し重めのオモリでチョイ投げをする必要がある。

7月ごろには新子ハゼがわいていると予想される。そのころには浅場から深場まで、ポイント全体にマハゼがわく。どこを狙ってもある程度のアタリをもらえるだろう。

木曽川は大半が砂底で、砂浜でのチョイ投げやミャク釣りは根掛かりなく楽しめる。シジミ採りをしながら楽しんでいるファミリーも多い。またテトラの穴釣り、テトラ前のチョイ投げやミャク釣りも面白い。そして小さなお子さん連れには、足場が良く流れの緩い船着き場内のウキ釣りがオススメだ。満潮前後の時間制約があり小型中心だが、魚影の濃さはピカイチだ。

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船着き場はファミリーにおすすめ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

チョイ投げの方は、なんといっても干潮前後に立田上流に多い沈所脇の流れのヨレ込みを狙うといい。魚影の濃さから楽に束釣りを達成できる。私もこのポイントで釣ることが多い。

時合を狙う

ここ木曽三川においてテナガエビとマハゼ、どちらにも言えることだが、潮の影響を受けるポイントにいる個体には必ず時合いが存在する。そのため、潮が動く前後の活性の高い時間帯を中心に狙っていただきたい。

魅力あふれる立田橋周辺

ここ立田橋周辺は、車が横付けできる数少ない釣り場の1つ。砂底で水質も良いため、良質の魚が釣れることでも有名だ。

また河川敷にはデイキャンプ場があり、バーベキューを楽しむことができる。そしてその横にはパークゴルフも併設され、レクリエーションの場としても確立している。それから駐車場にはトイレも併設されている。

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河川敷にはデイキャンプ場も(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

そしてなんといっても木曽三川のロケーションの良さには定評があり、釣り以外の人にとっても癒やしの場になっている。皆さんもぜひ出かけていただきたい。最近、どこの釣り場でもゴミが問題になっている。ゴミは各自で持ち帰り、釣り場環境の保護にご協力をお願いしたい。

<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2020年7月3日号に掲載された記事を再編集したものになります。
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