オフショアフィッシングにおいて大きなアドバンテージとなる「フィッシングボート」。今回は、湾内のベイエリアに特化したフィッシングボートをご紹介いたします。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉浦永)

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ベイエリアのターゲット

オフショアとは海の場合、「沖合」という意味。つまり船釣りのことを指します。オフショアの釣りは、対象魚も釣り方も様々な種類があります。その中でも今回はベイエリア(湾内)専用ボートを紹介します。

ベイエリアは港湾エリアのことを指しています。名古屋港、大阪湾、東京湾などの都市に隣接している港周辺もベイエリアに分類されていると思います。ベイエリアの代表魚と言えば、シーバス、クロダイ、カサゴなどです。

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大物の代表はシーバス(提供:WEBライター・杉浦永)

河川のように急激な流れがあるポイントも少なく、小魚や甲殻類が生息しやすいのも特徴の一つで、ターゲットとなる魚はストラクチャー周辺に潜むベイトを襲って捕食していると考えられます。

ベイエリアの代表的な船種

ベイエリアの代表的なボートとしては「ヤマハSR-X」、「同ベイフィッシャー20・23・25」、「スズキFAVAS」、「同JACK」などの20~25ftの和船型ボートを使用している人が多いようです。

和船タイプがオススメの理由

ベイエリアは和船タイプのフィッシングボートがオススメです。その理由を説明します。

意思疎通がしやすい

和船はキャビンなしで20ftほどのオープンな構造のため、船長とアングラーの距離感が近いです。そのため、意思疎通を図りやすく、アングラーの状況を察知しやすく、海の状況の把握が容易であると言えます。アングラーとの意思疎通のしやすさは、必然的に釣果に繋がるキーだと思います。

操船がしやすい

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いつでも話ができる距離(提供:WEBライター・杉浦永)

和船はキャビンがないので風の抵抗を受けづらく、小回りの効いた操船ができます。そのため、ストラクチャーをピンポイントでキャスティングする際などの細かな操船も、キャビンのついた中型プレジャーボートに比べて楽だと思います。

シャローエリアに強い

オカッパリからシャローで釣りをすることは多いですが、ボートからのシャローフィッシングは座礁の危険性もあるので避ける人が多いです。しかし、和船なら船底が浅いことや、船外機のチルト調整機能があることで、水深30cmほどのポイントでも侵入可能です。

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浅場でのチニングにも最適(提供:WEBライター・杉浦永)

ボートからシャローフィッシングをするライバル船も少ないので、スレていないターゲットを狙いやすいのも和船のメリットであると言えます。

和船のデメリット

和船タイプのデメリットも理解しておきましょう。

波風に弱い

大型ボートと比べて小型船の最大のデメリットは、波風に弱いことでしょう。風が吹いて波が高いときは出船できないし、大型船に比べて揺れも激しいので安定性に欠けるという面があります。

避難場所がない

キャビン付きのボートなら、雨が降っている日はキャビン内に入ることができますが、和船の場合キャビンがないので雨の場合でも避難するスペースはありません。そのために防水性に優れたレインウエアが必要になってきます。

沖に出られない

大型船は沖合いでのジギングや泳がせ釣りなど、様々な釣りに対応可能ですが、ベイエリア専用ボートはベイエリアの釣りにしか対応できません。そのため、釣りの幅としては少々狭くなってしまいます。

マイボートのカスタム例

次にマイボートのカスタム例をご紹介します。

カラー

私の場合、ホームセンターで売っている市販の水性塗料(アサヒペン・無臭水性バリューコート・スレートグレー )で塗装しました。手軽に塗装や補修もでき、汚れが目立たないカラーを選びました。

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使用している水性塗料(提供:WEBライター・杉浦永)

水性塗料はハケが水で洗えるので使いやすいです。また、ボートはホワイトカラーが多く、太陽光の反射がきついですが、自船のようにスレートグレーカラーなら、太陽光を吸収するので反射を抑えて目に優しいです。一方で、夏は太陽光を吸収するので熱くなりやすい特徴があります(笑)。

イス

一升瓶ケースにクッション性のあるマットを取り付けて、イスが完成。固定されていないため、移動は自由自在です。足腰が悪い人でもこのイスを使えば座りながら釣りを楽しめます。

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イスは一升瓶ケースを利用(提供:WEBライター・杉浦永)

ロッドホルダー

丈夫な塩ビパイプを加工して作ったオリジナルロッドホルダーです(水道用硬質ポリ塩化ビニル管HIVP40・内径40mmを使用)。ボート用ロッドホルダーですと、2、3年で耐久性が弱くなって割れやすいと言うのが問題点なのですが、特注ロッドホルダーは塩ビパイプを加工して作ってもらったので頑丈で割れにくく、劣化しにくいのが最大のメリットです。

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塩ビ製のロッドホルダー(提供:WEBライター・杉浦永)

タモホルダー

ロッドホルダーと同じ材質で作ったタモホルダーです。瞬時にタモの抜き入れが可能で、邪魔にならないこともメリットです。

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タモホルダー(提供:WEBライター・杉浦永)

小道具入れ

ロッドホルダーと同じ材質で作った小道具入れです。ペンチ、ハサミ、フィッシュグリップなどの収容を可能にしています。魚が釣れた時にすぐにペンチが使えたり、リーダーが切れた時にすぐにハサミが使えて便利です。

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小物入れも塩ビで(提供:WEBライター・杉浦永)

横付けフェンダー

フェンダーを横向きにして、アイプレートとナイロンロープで固定し、結び目が小さくなるように電線配線の圧着スリーブでナイロンロープを繋いでいるので、丈夫で見た目もすっきりしています。

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フェンダーは横付け(提供:WEBライター・杉浦永)

走行時に上げ下げをしなくても良いし、停泊時もボートを傷つけないし、見た目も良いです。一般的な縦の吊るし型フェンダーだと走行時の上げ下げが面倒だし、ぶつかった時に衝撃を吸収してくれる面積も少ないので、横付け型をオススメします。ちなみに素材はpolyform (ポリフォーム )製フェンダーG-1・ブラック (89×330mm)を使用しています。

タイヤ

船首にはレーシングカート用のタイヤを3つ付けてあります。これによりタイヤを船着場にぶつけて、前進を入れておくことで安定して乗り降りを行えます。また、釣りをしている際に障害物などにぶつかった時のクッションになります。

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着岸しやすいタイヤ設置(提供:WEBライター・杉浦永)

電気系統集合スイッチ

BlueFire製DC12V/24V・防水スイッチパネルLED回路で 各スイッチにヒューズ付き。本体サイズは18cm×11cm ×7.5cmのタイプを使用しています。防水性の集合スイッチに全ての電源を引き込み取り付けてあります。操船時に手元にあるから安全で使いやすいです。

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操作しやすいスイッチパネル(提供:WEBライター・杉浦永)

シンプルさが釣果に繋がる

ボートフィッシングにおいて、ボート構造は釣果を上げる一つの戦略であると思っています。フィシングボートである以上、釣りのしやすさをとことん突き詰めたほうが良いです。私は「釣りのしやすさ=シンプル」であると考えていて、和船で釣りをする前方のスペースは「極力何も取り付けない」ことを意識しています。

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前部はスペースを広く取っている(提供:WEBライター・杉浦永)

フラットかつシンプルで多機能なボートを目指すことによって、アングラーの快適さにつながり、邪魔なものを取り払うことで、アングラーは魚とのファイトにも集中できます。そして、船長側としては、タモ入れのしやすさや釣りのしやすさを考慮しています。ただ、シンプルさを求めるかわりに、エレキなどの便利な機器をつけることはできません。

外注先の紹介

私の車、バイク、プレジャボートは、何でも加工してくれる愛知県刈谷市のショップ「BBB・あげは。」で製作してもらっています。今回のような湾内専用ボートのレストアも自分のニーズにあった物をフルオーダーで作ってくれるのでオススメです。車・バイク・ボートなど、自分のニーズにあったもの作って欲しい方はぜひ依頼してみてください。

<杉浦永/TSURINEWS・WEBライター>

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