日中は酷暑。そんな中でもせっかくの休みにゆっくりと近場で釣りでもしたい…となれば、都市圏を流れる河川や周辺波止での夜釣りがオススメだ。

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)

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真夏は河口域が狙い目

夏の酷暑と、梅雨明けで雨量も減ってくると海水も徐々に動きがなくなり、淀んだような状況に陥ることも多い。当然、魚の食いも全体に悪くなり、「ひと雨欲しいねえ」と言う言葉が釣り人の間でも聞かれる。

そんな状況下でも、河川は上流から流れてくる水もあり、潮の干満による動きも常にある。つまり、河川は水の流れが常にあって変化の多い状況が作られている。そのため、河川や河口域の釣り場は、沿岸で魚の活性が下がった時には強い味方となる。

暑さ避けて夜釣りがオススメ

日中はうだるような暑さが襲ってくるため、昼間の釣りはオススメできない日が多くなってくる。昨夏も「野外運動を控えてください」と告知される日も多々あった。そうなると、やはり夜釣りがオススメだ。

そして、日が暮れると川を渡る風が実は、都市圏の街中でいるよりも遙かに涼しく快適なのだ。京都の河床で知られるように、夕涼みには川べりで過ごすのが良い。

夏の河口で狙える代表的なターゲットと言えば、チヌ(クロダイ)やキビレ、スズキ、ウナギなどだろう。また場所によってはシマイサギやシロギスなども釣れる。これらの魚は沿岸の海水環境が悪くなると、河川内に入ってくることも多い。

電気ウキ釣りが楽しい

河口域での釣り方は、電気ウキ釣り、ブッ込み釣り、投げ釣り、ミャク釣りなど通常、沿岸の波止周りなどでできる釣りだが、中でも軽装備&手軽に楽しめるのが電気ウキ釣りだ。

竿1本に小さな電気ウキを取り付けただけのシンプルな構成に、エサは入手しやすいアオイソメで十分…と、思いついた時にいつでも出かけられるのが魅力。

そして、何よりも川面に浮かぶ電気ウキが流れる風景や、電気が水中へボヤ~ッと沈んでいくシーンには癒されるので、私自身、大好きな釣りの一つである。

【2020夏】酷暑を避けて釣りに行こう:河口域での電気ウキ釣りのススメ
エサはアオイソメだけでOK(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

電気ウキ釣りタックル

電気ウキ釣りは小さなリチウム電池を使用して光るウキを使う以外は、フカセ釣りと同じである。そして、夏場の河口域では、夜になると非常に浅い場所まで魚が回遊してくるので、ウキ下も浅くてOK。そのため、ややこしい遊動式のウキ仕掛けは不要。道糸に通したゴム管にウキの脚を突き刺して止める簡単な固定式仕掛けで事足りる。

【2020夏】酷暑を避けて釣りに行こう:河口域での電気ウキ釣りのススメ
小型電気ウキ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

フカセ釣りと同様に磯竿1~1.5号で全長4.5~5.3m、小型スピニングリールに道糸はナイロンライン2~3号を巻いておけばOK。ハリスは短めなのでフロロカーボンラインの1.5~2号を50~100cm取る。道糸とハリスはサルカンで結び、ウキの浮力に見合ったオモリ(ガン玉やカミツブシなど)を取り付ければ完成だ。ちなみにハリはチヌバリ2~3号を基本に、軸の細いアブミバリや逆に軸の太い伊勢尼バリなども使用する。

【2020夏】酷暑を避けて釣りに行こう:河口域での電気ウキ釣りのススメ
簡単な電気ウキ釣りタックル(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

代表的な2魚種の釣り方

都市圏で手軽に狙える、河口域での代表的なターゲットと言えばチヌ(クロダイ)とスズキ(ハネ、セイゴ含む)だろう。両魚種はほとんど同じスタイルで狙えるが、やや狙う場所や釣り方が違うのでそれぞれ紹介しておきたい。

チヌ(クロダイ)、キビレ

夏を問わず河口域での代表的なターゲットであるチヌは、夏の夜釣りでかなり簡単に釣れる。チヌ同様にキビレも交じってくることが多い。

チヌは夜になるとエサを求めてかなり浅い場所まで来て、海底や障害物に潜むカニなどの甲殻類やゴカイの仲間、貝類などを捕食する。そのため、釣り場の水深としては実は1mもあれば十分釣れる。

特にエサとなる生物が多い、捨て石やテトラ周りなどではウキ下50cmなんてこともある。

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浅場でも障害物周りは狙い目(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

釣り方のキホン

釣り方としてはウキを流している時に、時々障害物などにハリが乗ったり、掛かったりするくらいのウキ下で狙うのがミソ。アタリはウキをゆっくりと押さえ込むように沈めるが、チヌに関しては早アワセは厳禁だ。ウキが海中でとどまっている間は我慢し、さらにウキが見えなくなるほど沈んでからアワせる。

【2020夏】酷暑を避けて釣りに行こう:河口域での電気ウキ釣りのススメ
河口の代表魚種チヌ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

引きは重量感こそあるものの、青物のように走り回ったり、根魚のように根に潜ったりはしないので、無理をせず竿で溜めるようにしていると浮いてくる。

スズキ、ハネ、セイゴ

出世魚で知られるスズキも河口域に多い魚だ。フィッシュイーターとして有名だが、夏場にベイトとなる小魚が少なくなると、虫エサにもよく反応する。そこで、アオイソメを使った電気ウキ釣りで比較的簡単に釣ることができる。
チヌのように浅場の海底付近を狙うよりも、少し沖目で潮がよく流れている場所を好むのと、底に潜むエサを拾うような食べ方は少なく、あくまでもフィッシュイーターらしく中層のエサを追うことが多い。そのため、ウキ下を浅くして少し投げて狙うと良い。

釣り方のキホン

前述のように基本ラインとしてはやや沖目の潮筋を、ウキ下1~2mで流す釣り方。回遊性の強い魚なので、何度も仕掛けを流しているうちに、魚とエサが出会う…と言った感じ。チヌに比べるとアタリはバラエティーに富んでいて、急にウキを引き込んだり、フワフワと揺らせるだけだったり、横へ走ったり…。スズキも早アワセは厳禁だが、捕食がヘタなのか、アタリがあっても素バリを引く(掛からない)ことが多いのが不思議だ。

スズキ釣りでの注意点は、サイズが幅広いこと。

夏の河口域では10cm程度のセイゴクラスから、70cmを超すスズキクラスまでがヒットする。ウキは沈んでアワせてみたら、思ってもいなかった強烈な引きに遭遇してバラシ…なんてこともあるので、いつでも大物に対処できるよう構えておきたい。

チヌは大型になると50cmを超すし、スズキも70cmを超すような大物に遭遇することがあるため、タモは必ず持っておきたい。

夜釣りの注意点

夜釣りはできれば1人では行かずに、万一の事態を考えて2人以上で出かけるのが理想だ。それを踏まえた上で、足場の悪い場所には行かないようにしたい。河口域では整備された護岸もあるが、水際まで簡単にいけるような場所も多く、思わずぬかるみに足を取られることもある。

最後に夏の夜釣りの大敵と言えば「蚊」だろう。特に電気ウキ釣りの場合はあまり動き回ることがなく、アタリを待ってジッとしていることも多いので、蚊よけ対策は万全にしておこう。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>

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