8月15、16日に家族3人で和歌山・有田川にキャンプへ出かけた。安価に利用できるオートキャンプ場の目の前で川遊びができる。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
夏は川遊びがオススメ
夏といえば海に行きたい衝動に駆られるが、夏の海もお盆を過ぎる頃からはクラゲが発生して、遊びにくいことがある。そして、海で泳ぐとどうしてもベタ付きが残って、シャワーやお風呂に入らないとすっきりしない。
逆に川での遊びはクラゲはおらず、淡水なので水から上がった後もさらっとした爽やかさが良い。我が家の嫁などは「川には温泉成分が流れているのか、川遊びの後は肌がスベスベになる」と豪語するほどだ。そんなメリットを考えると、夏後半の遊びは川がオススメだ。

川遊びの注意点
川遊びといっても海と同様、遊びに適している場所とそうでない場所がある。川は様々な顔を持っていて、ごく浅い流れや緩やかな流れ、激流、岩場など水の流れも地形も複雑だ。そのため、水浴場などに指定されているエリアや、川のキャンプ場などを利用するのが安全面でもオススメ。
水温低下が早い
海と違って、朝夕が涼しくなると川の水はやや冷たくなるのが時期的に早い。まだまだ残暑が厳しい時期だが、水が冷たくなると低体温症などの原因にもなるので、暑いからといって長時間、川に浸かりっぱなしは良くない。
蚊やアブ
川は山間部を流れるため、どうしても蚊やアブなど小型の害虫も多い。特に秋になるにつれて増えてくるのが小型のアブで、吸血されると非常にかゆい。できれば下はレギンス、上はラッシュガードなどで長袖、長ズボンスタイルが望ましい。
急な増水
上流部に雨が降ると下流まで川の水は増水する。最初から増水している川に入らない、近づかないことはもちろんだが、急なにわか雨やスコールのような激しい大雨が降ると、あっという間に増水して危険にさらされることになる。
川辺には放送マイクがあって、増水時には注意を呼びかける放送が流れるので、アナウンスが流れ出したらよく聞いて早めに川から上がるようにしよう。そんな危機管理も考えると、整備されたキャンプ場がオススメだ。
有田川の「花の里河川公園キャンプ場」へ
今回は出発の前日に急きょキャンプ行きが決定したので、いろいろと考えた挙げ句、毎年行っている和歌山・有田川に決定。午前11時頃の出発前に有田川にある「花の里河川公園キャンプ場」に電話を入れると余裕で区画は空いているらしく、その日の予約を入れた。
ここは阪和道の有田ICで下りて約15分ほどの手軽さで、途中に大きなスーパーなどもあるので食材や足りないものは何でも現地で揃うから非常に便利。
まずは海でシロギス釣り
阪和道を下りると昼過ぎ。湯浅の町中で食堂に寄って昼食を取る。キャンプ場には午後5時までに入れば良いのでまだまだ時間がある。ということで、まずは海へ向かう。泳ぎではなくチョイ投げのキス(シロギス)狙いだ。場所は広港に決めて行くとさすがに暑い日中なので、週末というのに釣り人は皆無。
暑いが波止の上は風が吹いて心地良い(と思うのは筆者だけか)。さっそくチョイ投げタックルにイシゴカイのエサで開始。
ピンポイントで20cm超のキス
少し引きずるとコンコン、ブルブルと派手にアタリが出て、小さなチャリコが連発する。沖向きに少し投げてみるとアタリがないのでじっくりと探っているとゴツン、ブルルンと強烈な引きで大暴れ。上げてくると20cmオーバーのキスだ。
同じポイントへ仕掛けを投入するとポツリポツリとキスが釣れるが、他の方向へ投げるとチャリコばかり……。釣れる範囲が狭く4尾を釣ったところで午後3時になったのでキャンプ場へ移動した。
夕方まで川遊び
キャンプ場までは20分ほどで到着。ゲートで受け付けを済ませて指定された区画へ車を止めて、横の芝生にテントやら机、イスなどのキャンプ道具を放り出したら川へ直行だ。
波止で暑くなった身体を冷やすのと、テナガエビ取りが目的だ。昨年はポイントはキャンプ場の目の前で、左岸側(キャンプ場側)は浅くてごく緩い流れ、対岸は少し深くて(腰くらい)ゆったりと流れる。流れるといっても、流されるような流れではなく上流へ向かってどんどん泳げるくらい。
テナガエビの取り方
適度にテナガエビの潜んでいそうな石も転がっている。テナガエビは日中は石などの隙間に隠れているので、そっと石をひっくり返すとその下でジッとしているのをエビ網で押さえて取る。夕方になると、活発に動き回るので、川底を見ながらシュノーケリングをしているといくらでも見つかる。

ハマる?シュノーケリング
テナガエビは近年、都市圏での「釣り」が人気だが、きれいな川で水に浸かれるとなれば、シュノーケリングでのテナガエビすくいも面白い。子供はもちろん、大人もハマる面白さがある上、水面下を直接のぞくことで、エビ以外にもいろいろな生き物が観察できる。

我が家では家族3人ともがエビ網を片手に、シュノーケリングでエビをすくうが、日中にやり過ぎると背中側ばかりが日焼けしてしまうのでご注意(笑)。
ソッと優しく捕まえる
取り方のコツはとにかく、ソッと石をめくったり、網で押さえるのもゆっくりとするのが良い。慌てて網で押さえにかかるとそこはエビらしくピンピンと跳ねて一瞬で視界から消えてしまう。石をめくるのも強引に力まかせにするとエビがビックリしてこれも逃げてしまう。ゆっくりと作業をするとエビはほとんど動かないので非常に取りやすい。

見られる魚も多彩
日が傾くまでの1時間ほどをエビすくいや魚鑑賞に当てる。魚はアユ、コイ、フナ、ギギ、カワムツ、オイカワ、ヨシノボリ、カワアナゴ、ドジョウ、ナマズに珍しいムギツクも発見。こちらも魚は多彩で海に負けないくらい見ていて楽しい。息子はスッポンも見たといっていた。

身体が十分に冷えて?さっぱりとしたところでキャンプ区画に戻り、ようやくバーベキューの準備に取りかかる。炭に火をつける間にテントを張り、イスや机を組み立てて完成だ。川である程度、身体を冷やしているので作業をしてもまったく汗だくにならないのが嬉しい。
釣ったキスも焼いちゃう
昼間に釣った4尾のキスもうろこを取って内臓を抜きバーベキューで焼くことにした。この施設では場内に2カ所、台所などが設置されていて調理なども手軽にできるので便利。
炭の火が落ち着いたところで、いよいよ肉(とキス)を焼く。

日が暮れると涼しい
日中、車の車外温度計は37度を表示していて、「大阪にいても、和歌山に来ても日中の猛暑、酷暑は同じだなあ……」と話していたが、違うのは日が暮れてからだ。それまで河口方向から吹いていたちょっと生ぬるい風から、日が暮れると川上方向から吹き始めた。この川を渡ってくる風がとにかく涼しくて気持ち良い。
バーベキューの火を前にしてもまったく暑くないし、汗もかかない。快適以外の何物でもない自然の中でバーベキューを堪能して涼しいテントの中で就寝。
ちなみに、この日はペルセウス座流星群の流れ星ピークから3日目の夜だったが、残念ながらほとんど流れ星を見ることはできなかった。
おまけは日高川
翌朝は早朝、暑くなる前にテントをたたんで車に全て積み込み撤収。帰るのではなく、有田川から南下して日高川で川遊びをすることに、前夜決まったのだ。有田川のある湯浅から日高川までは山中の下道を通って30~40分ほどで行ける。
日高川でもテナガエビ取りに夢中になり、昼まで遊んで200尾以上のテナガエビをすくって、それは夜に帰宅してからのお酒の肴に!疲れたが非常に楽しい、お盆終盤のお出かけだった。

楽しめる期間
キャンプ自体はこれから秋に向けて快適さが増してくるので本番といえる。
テナガエビに関しては、卵を持った雌エビが残り、雄エビはどんどんと死んでしまって数が減ってくる。ただ、例年はお盆頃になると、雄のエビは激減するのだが、今回見たところでは、手の長い立派な雄がまだまだ元気にたくさんいたので、シーズンがズレ込んでいると予想できる。そのため、もう少し先までは楽しめそうだ。
<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>
▼この場所について花の里河川公園キャンプ場
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