私たちが良く知る「ツナ缶」。実は、「原材料がマグロではないかもしれない」とのうわさを聞き、真相を調べてみました。

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みんな大好きツナ缶

私たちの食卓で、お馴染みの食材となっている「ツナ缶」。缶詰に入っているオイル漬けの魚肉は、保存も効くので非常に便利ですよね。

最近ではおにぎりの具材としてだけではなく、パスタの具材やカレーなんかにも使われたりしています。

そんな万能食材のツナ缶、その名の通り「ツナ=マグロ」と思われがちですが、実はあなたがよく食べているツナ缶の中身は、マグロとは限らないことをご存知ですか?

『ツナ缶』の原材料はマグロとは限らない 安価なものはカツオを使用?
ツナ缶(出典:PhotoAC)

ツナ缶の原材料は3種類

ツナ缶に使用される原料の種類は主に3種類。実はそれぞれ缶に表記されています。

さらにいうと、原材料の種類だけでなく、調理法がオイル漬けなのか、水煮なのか、さらにはオイル漬けの油の種類にも違いがあるので、一概に「ツナ」と言っても同じものではないことを覚えておいてください。

興味がない人からすると大差はないのかもしれませんが、原材料によって値段だけではなく、味も違ってくるので、用途によって選んでみるのも良いかもしれません。

ビンナガマグロ

まず、日本で最高級とされるのが、身が白い「ビンナガマグロ(ビンチョウマグロ)」です。地域によっては刺し身で食べられ、回転寿司でも「ビントロ」としてもおなじみですよね。

スーパーに売っているちょっと値段が高いツナ缶に使用されていることが多く、「ホワイトミート」と表記されています。

キハダマグロ

次に少し値段が下がって、一般的なのは「キハダマグロ」を使用したツナです。ホワイトミートのツナ缶に比べ、値段も約半分、刺身にした時の身が赤いため、加工後は黄色っぽい仕上がりになるのが特徴です。

ビンナガマグロの「ホワイトミート」に対し、「ライトミート」と呼ばれています。スーパーなどでは「ライト~」などの表記で3缶まとめて販売されていることが多いかもしれません。

カツオも実は「ツナ」

最後に紹介するのは、原材料が「カツオ」の場合のツナです。

「いやいや、それじゃあツナではないのでは?」

そう思う方も多いかもしれませんが、生物学上の分類ではマグロ属とカツオ属は異なりますが、カツオは英語で「skipjack tuna」となります。

よく見ると「Tuna」となっていますよね。そのため、販売される際には「ツナ」とひとくくりにされてしまっているのです。

マグロに比べてカツオは漁獲量も豊富なため、値段も安く、世界のツナ缶原料で見てみると、原材料はマグロではなくカツオが主流となっています。

『ツナ缶』の原材料はマグロとは限らない 安価なものはカツオを使用?
カツオもツナ(出典:PhotoAC)

一番高価な「ツナ」とは

ツナにもいろいろある事は紹介しましたが、一番値段が高いのはどんなツナなのか。

まず、種類ごとの相場で言うと、【ビンナガマグロ>キハダマグロ>カツオ】の順になります。

また、加工方法で見ると、水煮よりもオイル漬けの方が高価です。さらに、オイルの種類は大きく3種類に分かれており、【オリーブオイル>錦実(めんじつゆ)>大豆油】の順に値段が変動します。さらに、缶の中での形状も「ブロック(ソリッド)」と「フレーク」に大別されます。

身の原型が残っているブロック状か、ほぐれているのがフレーク状か、ほぐす手間がかかる分、フレークの方が高級なのかと思いきや「加工工程で原型を維持する方が手間や技術がかかる」ため、ブロック状の方が高価です。

これらの情報をもとにまとめると、一番値段が高いのは「ビンナガマグロを原材料にオリーブオイルでオイル漬けした、ブロック状のツナが一番高価」だと言えそうです。

食べ方によって選んでみては?

ツナ缶にはじつはいろいろな種類があることをご紹介しましたが、値段が高いからと言って、必ずしもどんな料理にも向いているとは言えません。

「カツオの水煮」は一番安価だからと言って、味が特段不味いわけではなく、一番調味がしやすく、どんな料理にでも合う万能選手と言えます。

オリーブオイルに漬けられた物はそもそもに味がついているため、マリネなどで食べるのが海外では主流のようです。

原材料や加工方法などの違いをよく理解し、その日のご飯に合う最適な「ツナ缶」を選んでみるのもいいかもしれません。簡単に調達できる「ツナ缶」をいくつか用意して『利きツナ』をしてみるのも面白いかも知れませんね。

<近藤 俊/サカナ研究所>

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