今回は、イカダ&カセから狙うカカリ釣りクロダイの数釣りをテーマに解説。使用するタックル・エサ・釣り方を押さえておこう。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 橋本直)

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カカリ釣りクロダイがハイシーズン

今回は、カカリ釣りクロダイの数釣りをテーマに解説。

今年は梅雨が長く、梅雨明け後は猛暑、その後は秋雨前線や台風の影響で不安定な天候が続いていた。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、例年になく釣行しにくい状況が続いたのではないだろうか。

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本命と出会える確率が年間で一番高い(提供:週刊つりニュース中部版 橋本直)

しかし、この晩秋から初冬に向けては、海水温が例年よりも高いとはいえ、海中も夏から秋本番、そして晩秋へと移行して、年間を通して一番活性が高い時期となる。

釣行前の予約は必須

中・小型クロダイの数狙い、大型狙いのどちらの場合も、フィールドのチョイスは重要だ。数釣りの場合、やはり三重県の鳥羽エリアは外せないだろう。それ以外では、同じく三重県の五ケ所湾奥にある内瀬(ないぜ)などが挙げられる。

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入門にも最適なシーズンだ(提供:週刊つりニュース中部版 橋本直)

釣行できる予定日が決まったら、釣行場所にある渡船店に予約の連絡を入れよう。秋は気候もいいので、多くの釣り人でにぎわう季節。いきなり渡船店へ行っても、イカダやカセが空いていない場合もあるので必ず事前に予約をして、その時に集合時間や出船時間などを確認しておこう。

使用するタックル

次に、カカリ釣りクロダイのタックルについて解説しよう。

ロッド

数釣りの場合は、硬いロッドよりも少し軟らかめの方が、魚とのやり取りも楽しいのではないだろうか。秋はメインに釣れるクロダイが小型となるからだ。長さだが、カセの場合は1.2~1.5m、イカダの場合は1.5~1.8mがお勧めだが、1.5m前後あれば、イカダ&カセの両方で対応できるだろう。

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タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 橋本直)

リール

下向きタイプ(片軸タイプ)、上向きタイプ(両軸タイプ)の専用リールがあるが、秋は手返し重視の釣りとなるので、下向きタイプをチョイスしたいところだ。

鳥羽エリアだと潮流の速いポイントも多く、下向きタイプのリールが操作性にたけていて、利便性が高いと思われる。

ライン

釣れるクロダイのサイズや潮流によってもラインの号数を変えたりもするが、数釣りの場合、私は鳥羽エリアだと専用(フロロカーボン製がメイン)の1~1.5号を通しで、五ケ所湾だと専用の1.2~1.5号を使用している。

潮流が速いポイントだと、ラインの号数が細い方が潮の影響も受けにくくなるので、なるべく細めのラインをチョイスするが、細くて心配な場合は、安心して使用できる号数のラインをチョイスしたい。

ハリ

これも良く釣れているクロダイのサイズにもよるが、数釣りの場合は「チンタ」とも呼ばれ、小型(25cm前後までのクロダイ)がメインとなるので、これらのサイズの場合はハリのサイズはクロダイ用の1~2号を選ぶが、釣行時に釣れるであろうメインのサイズに合わせてハリの号数をチョイスしよう。

使用するエサ

近年、海水温の上昇でエサ取りが長く居座るようになり、エサのチョイスも難しくなってきているが、やはり数釣りでメインとなるエサはシラサエビ、そしてオキアミではないだろうか。

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シラサエビとオキアミをメインに使い分ける(提供:週刊つりニュース中部版 橋本直)

シラサエビ

(モエビ、湖産エビとも呼ぶ)湖水(真水)に生息しており、海中で元気に跳ねてクロダイの食い気を誘う。量は5杯前後を持参し、シラサエビをまきながらクロダイを寄せて勝負。カツンとしたシラサエビを使用した時に出る特有の前アタリもあり、非常に有効なエサだ。

オキアミ

年間を通しての万能エサ。シラサエビで食いが悪くなった場合、目先を変えるのに使用したり、食いが早いので数釣りの場合も多用する。アタリはコツッとした前アタリから一気に吸い込むので、穂先は大きく反応することが多い。

サナギ&コーン

エサ取りが多い場合、サナギ、コーンは有効だ。この時期はまだエサ取りも多く、クロダイが寄り切らない場合は、軟らかいエサだとエサ取りの餌食となることが多く、そのようなシチュエーションではサナギやコーンの出番となる。サナギ、コーンの場合では、やはりミンチ状になったものなどをまきながら、それらをさしエサにも使用したり、粒のまま使用したりとバリエーションも豊富だ。

アケミ貝

つぶしてまきエサにも使用でき、丸貝、半貝、むき身と使用方法も多い。むき身は勝負も早くて有効な場合も多い。

ボケ

ボケは冬や春の特効エサとなっているが、数釣り時にも有効なエサだ。用意できるようならば、できるだけ小ぶりのボケをチョイスしよう。

ダンゴ

私は年間を通して使用しており、配合もほぼ同じ種類のダンゴを使用し続けている。

私の配合例としては、素材工房(えさきち)のイエローステージプレミアム、煎りぬか、ガーリック粉末、オキアミミックス。

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使用しやすいものを見つけよう(提供:週刊つりニュース中部版 橋本直)

シラサエビのエサをメインに使用する場合は、レッドステージプレミアム、煎りぬか、ガーリック粉末、オキアミミックスとしている。シラサエビのエサがメインだと、軟らかいダンゴの方が手返しも速くて有効だが、上層や中層にボラなどのエサ取りが多い場合は、最初から軟らかくし過ぎると底まで持たず、ダンゴが途中で割れる場合があるので、徐々に水分を足して調整できるようにしたい。

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筆者愛用のベースダンゴ(提供:週刊つりニュース中部版 橋本直)

ダンゴはカカリ釣りクロダイにおいて非常に重要なアイテムなので、使用しやすいダンゴを見つけて慣れることが大切。自分でコントロールできるまで使ってみよう。

釣り方

さて、いよいよ実釣編。

ポイントを作る

釣り場となるイカダやカセに上がったら、一日釣りをする釣り座を決めて道具などを配置し、ダンゴの準備をしてポイントを作っておくことが必要となる。数釣りの場合は、いかに早く魚を寄せるかも釣果を上げるポイントの1つになってくる。

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一日釣りやすいよう道具などを配置しよう(提供:週刊つりニュース中部版 橋本直)

ダンゴに使用するエサを混ぜ込み、潮流を見ながら数個釣り座の直下にポイントができるように打ち込むが、潮が動いていれば流れに合わせて打つ場所を決めていこう。ダンゴを打ち、できるだけ釣り座の直下にポイントを作り、それからタックルを組んでも、一日の釣りとして考えると、大した時間ではない。

その後、ダンゴを打ち返しながら状況を把握していくが、エサ取りの種類にもよるが、クロダイやボラが寄れば、小さなエサ取りは遠巻きになって、エサが残る間ができる。それまでエサが瞬殺だったのが残りだしたらチャンスだ。

ボラ対策

ダンゴを打ち返してボラが寄りだしたら、スレアタリをかわして掛けないようにしなくてはいけない。簡単に説明すると、ボラのスレアタリは食い込んではおらず、穂先がフワフワしているだけで戻りが早い。クロダイのアタリは、しっかりとしたアタリがあり穂先が戻ってこない。そのアタリを見極め、なるべくボラを掛けないようにしたい。到来したチャンスが台無しになるかもしれないからだ。

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秋は小型でもパワフルなので引き込みも楽しめる(提供:週刊つりニュース中部版 橋本直)

アタリが出たら

いよいよクロダイからのシグナルが出始めたら好機。クロダイが捕食する場合は、何かしらの前アタリがある。クロダイは警戒心が強く、エサをついばんだり、生きたエサの場合は一度かんでから捕食するので、そのアクションが前アタリとなって出る。その後に吸い込むので、穂先が元の位置まで戻ってこないストロークの大きなアタリで積極的にアワせていこう。

フッキングに成功したら、慌てずにロッドをうまく使って無理せずにやり取り。確実にランディングまで持ち込みたい。無理してしまうと、ラインブレイクの原因にもなってしまうからだ。数釣りの場合、基本は手返しの多さが匹数を伸ばすキーポイントになる。だからといっても、釣りが雑になってはいけないので丁寧さを心がけ、クロダイさえ寄れば、あとはしっかりアタリを見極め、1匹ずつゲットしていこう。

秋はいろいろなアタリを見ることができ、このシーズンでしっかりやっておけば、大型狙いでも参考になるはずだ。

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好釣果目指して挑戦しよう(提供:週刊つりニュース中部版 橋本直)

まずはこの釣りを体感することが大事。レジャーにもいい季節なので、クロダイに出会えるチャンスが一番多いこの時期に楽しんでもらいたい。

<週刊つりニュース中部版 橋本直/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2020年10月30日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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